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オーストラリア大陸はこの春からも高温乾燥気候

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9月初めの南極圏高空の気象現象で決定的に

 ABC放送(電子版)は、9月初めに南極圏高空で起きた非常に希有な気象現象で、この春以降のオーストラリア大陸の高温乾燥気候が決定的になったと伝えている。

 また、すでにこの春から年末年始の夏にかけてブッシュファイアが多発する季節になるだろうと予想されている。

 この気象現象は南極点の30km上空で起きており、オーストラリア大陸の降水量に影響を与えることが予想されている。

 報道によると、南極点30km上空の成層圏で数日の間に気温が摂氏40度ほど上昇している。この現象は成層圏突然昇温(SSW)と呼ばれる非常に珍しい現象で、気象庁(BoM)のハリー・ヘンドン博士は、「この春から初夏にかけて、大陸東部は温暖乾燥な気候が続くことになる」と語っている。

 SSWは北半球ではよく起きているが、南半球では非常に珍しく、前回2002年に起きた時にはオーストラリア気象観測史上もっとも乾燥した気象の年になっており、今回ほど激しい現象ではなくても過去30年間に数回起きた成層圏気温上昇とオーストラリア大陸の乾燥気象との相関性が突き止められている。

 ただし、SSWは、あくまでも自然な現象であり、気候変動とは無関係と考えられている。また、北半球ではもっと頻繁に起きており、寒冷気候と関係があると考えられている。

 2月にヨーロッパを襲った「東からの猛烈な」嵐は北極点のSSWが引き金になったと考えられている。

 南極圏のSSWにより、オーストラリア大陸の南で西風が強まり、北に向かって移動する。気象学者はこれを「ネガティブSMA」と呼んでいる。春から夏にかけて、このネガティブSAMがQLD州南部からNSW州にかけての地域に温かい乾いた空気を送り込むことになる。

 同時に、インド洋の海水温は平均値より低く、気象学者はこれを「ポジティブIOD」と呼んでており、海水の蒸発が抑えられるため、ネガティブSAMによって大陸東部に送り込まれる空気が乾いた空気になることが予想される」としている。

 このような気象条件が2019年年明けまで続くことが予想される。
■ソース
Rare weather event over Antarctica driving Australia’s hot, dry outlook

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