脅かされたと感じると鋭い歯と機敏な動きで反撃
NSW州北部海岸地域、コフス・ハーバーとバイロン・ベイの中間、イルカ地区の海岸にヒョウアザラシが出没しており、海岸に行く人には、「おとなしそうに見えるが動きが素早く、また鋭い歯を持っているため、致命傷を負うこともある」として、物珍しさでヒョウアザラシに近づかないよう呼びかけが出ている。
ABC放送(電子版)が伝えた。
このヒョウアザラシは体長が3.5mほどあり、鋭い歯を持つ頂点捕食者である。また、2003年には南極で23歳の研究者がシュノーケルで潜水中にこのヒョウアザラシに襲われて死亡している。
海岸でヒョウアザラシの写真を撮っているトニー・ベルトンさんは、「自分は望遠レンズを使って十分に離れたところから撮影しているが、今朝は幼児を連れたカップルが砂浜に来ていて、ヒョウアザラシから2mか3mくらいのところでiPadで撮影していた。しかも、子供がアザラシの回りを走り回っており、まったく呆れたことだ。思わず、アザラシから離れるようどなってから、どんなに危険な動物かを説明しなければならなかった。特にヒョウアザラシには水に戻る道をふさいではならない。いつも眠そうな姿だが驚くほど敏捷に動くこともできる。今朝のカップルもアザラシと海の間で動き回っていた」と語っている。
また、「NSW州国立公園野生局(NPWS)の保護官が、ヒョウアザラシには近づかないよういくつも立て札を立てている。ただ、ヒョウアザラシは夜に海に入ってエサの魚を捜し、その立て札よりもちょっと離れたところに戻ってくるから立て札の効果がない」と語っている。
クジライルカ類の救助と研究を行っているOrganisation for the Rescue and Research of Cetaceans in Australia (ORRCA)のジャクリン・オニール会長は、「海の野生動物に近寄ると罰金を科せられることを知らない人が多すぎる。海洋野生動物を見かけるとシャッター・チャンスのつもりで近寄っていく人がいるが、海洋動物から半径40mが接近禁止区域になるため、とんだ高価なセルフィーになる可能性があった」と語っている。
■ソース
Beachgoers at Iluka on NSW north coast warned to keep their distance from leopard seal
https://www.abc.net.au/news/2019-09-13/leopard-seal-on-iluka-beach-nsw/11510946