最大の債権者に 「地方経済に不可欠」とキング交通相
オーストラリア連邦政府は23日、昨年7月に経営破たんしたオーストラリア航空業界3位「レックス・エアライン」の債権者であるシンガポール系投資会社「PAGACレグラス」から5,000万豪ドル(約49億円)の債権を買い取ると表明した。政府が最大の債権者となって救済を加速させる。会社の精算を回避することで、遠隔地の生活や経済になくてはならない地方路線の存続を図る。
レックスは破たん後、ボーイング737型機で運航していた大都市間路線を直ちに運休した。しかし、同社が幅広いネットワークを持つ地方路線は、公的支援の下で運航を続けている。政府は運航継続のためレックスの管財人に8,000万豪ドルを貸し出し、失職したレックス元従業員への未払いの給与も710万豪ドル以上支援している。
政府はレックスの運航を継続させつつ、引き続き管財人と協力して地方路線の売却先を探す。担当大臣のキャサリン・キング連邦インフラ・交通・地方開発・地方政府相は声明で「アルバニージー政権はレックスの地方路線を確実に存続させ、次のステップに向けて管財人を支援する」と述べた。政府の救済措置については「地方の生活を支える重要な経済や医療、輸送サービスを維持する」と指摘した。
公共放送ABC(電子版)によると、最大野党・保守連合(自由党、国民党)のピーター・ダットン代表(自由党党首)も23日、政府の救済措置を超党派で支持する考えを示した。
ただ、今回の救済措置発表のタイミングは、今年5月までに実施される次期連邦選挙対策との見方も出ている。シドニー工科大のティム・ハーコート主席エコノミストはABCに対し「政府にとって次期連邦選挙で地方議席は重要だ。政治家は選挙前にカメラの前で巨額の支出をアピールするものだ」と指摘した。
■ソース
Lifeline for Rex Airlines as federal government takes on $50m debt(ABC News)