「トランプ関税」の洗礼! オーストラリア株、史上最高値から急転直下

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全セクターで下落率1%超える

 シドニーのオーストラリア証券取引所(ASX)は週明けの3日、取引開始直後から全面安の展開となっている。「トランプ関税」のショックが波及している。

 主要株価指数「S&P/ASX200」は、史上最高値を更新した31日の終値から一転して急落。午後1時30分現在、8,383.40と前日比で148.90ポイント(1.75%)安い。

 素材(2.15%安)や生活必需品(1.87%安)などを中心に、11セクターのすべてが1%以上下落している。

 米国のトランプ大統領が2月1日からカナダとメキシコにそれぞれ25%、中国に追加で10%の関税を課すと表明。世界経済の先行きに懸念が高まっている。31日の米ニューヨーク市場が下落した流れを受け、日経平均株価も3日、一時1,000円を超える急落を記録するなど影響が拡散している。

 現時点では、トランプ関税によるマクロ経済への影響は不透明だが、米国の対中関税引き上げが中国国内の景気を悪化させた場合、オーストラリアの主要輸出商品である鉄鉱石や石炭、天然ガスなどの資源・エネルギーや農産物の需要は縮小すると見られる。中国市場への依存度が高いオーストラリア経済が間接的な打撃を受ける可能性も否定できない。

豪ドル急落ー0.5米ドル台も視野に

 代表的な資源国通貨である豪ドルにも、強い押し下げ圧力がかかっている。米関税の引き上げによりサプライチェーンが混乱したり、世界の景気が減速したりすれば、オーストラリア産資源・エネルギーの需要が鈍り、価格が下落する可能性が高いためだ。

 3日午後1時30分の時点で、外国為替市場の豪ドルの対米ドル・レートは1豪ドル=0.61米ドル前後と前日比で約1.9%安い水準で推移している。

 公共放送ABC(電子版)によると、「関税戦争」の長期化が世界的なインフレを引き起こすとの観測から、為替市場では米ドルを買う動きが加速している。

 投資情報会社「インタッチ・キャピタル」の上級FXアナリストを務めるショーン・キャロー氏がABCに述べたところによると、豪ドル対米ドル相場の次の下値抵抗線(サポートライン)は2020年4月に記録した1豪ドル=0.5980米ドルになるという。これを下回った場合、コロナ禍の最安値である1豪ドル=0.5510米ドルが意識されるとしている。

■ソース

Market Overview(ASX)

Live updates: ASX 200, All Ords down more than 1.5pc Australian dollar hit on fallout from Trump tariffs on China, Canada and Mexico(ABC News)

AUD/USD – Australian Dollar US Dollar(Investing.com)

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