タスマニア島の南250キロ 再びEEZ内に入る
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オーストラリア国防軍制服組トップのデービッド・ジョンストン司令官(海軍大将)によると、東部シドニー近海の公海上で21日に実弾演習を行った中国海軍の「小艦隊」は26日現在、南部タスマニア島の南約250キロの排他的経済水域(EEZ)内を航行している。ジョンストン司令官が連邦上院の公聴会で証言した。公共放送ABC(電子版)が報じた。
小艦隊を構成しているのは、いずれも中国海軍南海艦隊に所属する江凱II型フリゲート艦「衡陽」、レンハイ型ミサイル巡洋艦「遵義」、フーチー型補給艦「微山湖」の3隻。
これらの艦隊は、北東部クイーンズランド州沖のEEZ内を航行していることが13日、オーストラリア軍の発表で明るみに出ていた。その後、タスマン海を南下し、21日にシドニーに南東約630キロの公海上で実弾射撃を含む軍事演習を行っていた。
3隻は1回目の実弾演習の後、東へ移動。ニュージーランド近海の南太平洋上で複数回、実弾演習を行ったことが、同国政府の発表で明らかになっていた。この後、西に針路を取り、タスマニア島南方の南極海でオーストラリアのEEZに再び入ったもようだ。
中国軍は近年、海洋進出を加速させているが、本土からここまで距離の離れた遠洋で軍事演習を行うのはきわめて異例とされる。
■ソース
Defence learned of Chinese live-fire exercises about 40 minutes after drill commenced(ABC News)