オーストラリア軍が把握したのは開始から40分後だった! 中国海軍の実弾演習

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原子力潜水艦が随行している可能性も

2月11日、オーストラリア北東部クイーンズランド州沖の排他的経済水域内を航行する中国海軍のレンハイ型ミサイル巡洋艦「遵義」。水面下では、原子力潜水艦が活動している可能性も指摘されている(Photo: Australian Defence Force)

 オーストラリア国防軍制服組トップのデービッド・ジョンストン司令官によると、オーストラリア軍が21日の中国海軍による実弾演習を把握したのは、開始から40分後だったという。中国海軍が事前通告を怠ったのは国際問題だが、オーストラリア軍の監視体制や危機管理が問われる可能性もありそうだ。

 26日付の公共放送ABC(電子版)によると、中国海軍の3隻はオーストラリア東部時間21日午前9時30分、実弾演習を開始。無線の緊急用周波数で中国海軍からルート変更を要請されたヴァージン・オーストラリア航空のパイロットは午前9時58分、航空管制当局「エアサービス・オーストラリア」に連絡した。エアサービス・オーストラリアは午前10時に付近を飛行中の航空機に対し一斉に警告し、午前10時10分にオーストラリア軍に報告した。この時まで、軍は実弾演習の事実を知らなかったという。

 公海上での軍事演習は、国際法に違反する行為ではない。ただ、航空機や船舶の安全を確保するため、慣例的に事前告知が求められる。ジョンソン司令官は、中国海軍の行動を「挑発的」と批判。最短でも24時間から48時間前にオーストラリア側に演習の予定を知らせるべきだったとの考えを示した。

 一方、ABCは26日、オーストラリア軍関係者の話として、3隻に原子力潜水艦が随行している可能性があると伝えている。

 この点について、ジョンソン司令官は「潜水艦が随行しているかどうかは不明だ。小艦隊が潜水艦とともに活動することはあるが、常にというわけではない」と述べ、断定を避けた。

■ソース

Defence learned of Chinese live-fire exercises about 40 minutes after drill commenced(ABC News)

Intelligence chief says Chinese warship deployment designed to be ‘provocative’(ABC News)

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