「発生確率は約7割」と豪気象局
豪気象局(BOM)は、豪州に多雨をもたらす「ラニーニャ現象」が今年も約70%発生すると予測している。すでに米国や英国、日本、インドなど主要国の気象当局はラニーニャを認定しており、一昨年以来3年連続でラニーニャが起こっているのはほぼ間違いない。公共放送ABC(電子版)が伝えた。
ラニーニャは東太平洋赤道付近の海面温度が通常より低下する現象。近年の研究により、逆に同海面温度が高まる「エルニーニョ現象」とともに、地球規模の異常気象と因果関係があると指摘されている。
ラニーニャ発生時は、赤道付近の太平洋上を東から西に流れる貿易風が強まり、西太平洋赤道付近の海面温度が上昇する。このため、間接的にオーストラリア東海岸は雨が多く降り、気温が低くなる傾向が強まる。一方、エルニーニョは、干ばつと高温をもたらすことが分かっている。
3年連続のラニーニャは、非常にまれで、BOMによると1900年以降これまで3回しか起きていない。いずれも豪州では大規模な洪水被害が発生している。ラニーニャ2年目の今年も年初から東海岸で大規模な洪水が発生したのは記憶に新しい。
BOMは9月13日に発表する気候現象に関する報告で、主要国と同様にラニーニャの発生を正式に認定する可能性がある。BOMは直近の長期予報で「豪州の東半分のほとんどの地域で、9月〜11月の雨量は平年を上回る見通しだ」と予測している。鉄砲水や河川の氾濫による大規模な被害が出ないことを願うばかりだ。