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【ワンアンビラ警官射殺事件の背景①】 容疑者は過激な陰謀論に傾倒か!?より続く。
公共放送ABC(電子版)によると、元女性教師のステイシー・トレイン容疑者(45歳=ギャレス・トレイン容疑者=47歳=の妻)と、元校長のナサニエル・トレイン容疑者(46歳=ステイシー容疑者の前夫で、ギャレス容疑者の弟)の元夫婦2人は、ともに別々の州立学校に勤務していた。3人の複雑な三角関係は、上記の相関図を参照。
オーストラリア連邦政府は21年、欧米に遅れを取っていたワクチン接種を急ピッチで推進。州政府は公務員のワクチン接種を義務化した。接種を拒否したステイシー容疑者は21年12月、義務化の直前に勤めていたタラ郡州立学校を退職したとされる。
ABCが話を聞いた関係者の証言によると、ステイシー容疑者はコロナ規制やワクチン義務化に反発。職を失ったのを機に、陰謀論者だった夫のギャレス・トレイン容疑者の過激な主張に、次第に染まっていったという。
ナサニエル容疑者もニュー・サウス・ウェールズ(NSW)州立学校の校長を勤めていたが、21年8月に辞めている。退職理由は勤務中の心臓発作とされるが、同容疑者もまたワクチン接種を拒否していたとされる。
ABCが家族に近い関係者に聞いた話によると、同容疑者の精神状態はこの頃から次第に悪化していたといい、何らかの疾患を患っていた可能性も否定できない。
一方、ギャレス容疑者は以前から、政府や宗教団体、警察に対して過激な思想を持っていたようだ。ABCが反政府主義の「ソブリン・シチズン」や陰謀論のウェブサイトを調べたところ、「ギャレス・トレイン」の本名で書かれたコメントは19年に現れ始め、コロナ禍の21年以降に急増しているという。
QLD州警察のキャロル警視総監は今週、陰謀論やソブリン・シチズンのウェブサイトでのギャレス容疑者の言動について、詳しく捜査する方針を明らかにしている。
警官を待ち伏せし、ライフルで射殺するという凶行。コロナ禍の環境変化がきっかけになったとしても、経済的に恵まれたオーストラリアで、自然環境が豊かで平和な農村地帯に住む3人が、なぜそこまで急激に過激思想に陶酔したのか。不透明な点はまだ多い。
インターネットが陰謀論やニセ情報を「一気に加速させた」ーー。クレア・オニール連邦内務相は15日、そんな認識を示した。同内務相は「私たちが議論する前に、警察と安全保障当局の捜査を待つことが重要だ」と断った上で、「原因の1つは過激化だろう。国家としていかに暴力を未然に防ぎ、対応するのか。私たち議員は重要な問いに対して、答えを出さなければならない」と述べ、真相究明を待って法整備を検討する考えを示唆した。
政治や宗教の過激主義に詳しいディーキン大のジョシュ・ルース上級研究員は、「パーフェクト・ストーム」(複数の災いが同時に起こること)が彼らを陰謀論や過激主義に走らせたと見ている。一般論として、人生を変えるような重大な出来事を経験することによって、過激化するケースが多いという。
いずれにせよ、動画が拡散して同様の事件が繰り返されることがあれば、射殺犯の”思うつぼ”だ。QLD州警察は「関係者の家族や警官に苦悩を与えるものだ」と述べ、動画が公開されている場合は削除し、再投稿しないよう呼びかけている。
QLD州警察組合のイアン・リーバース委員長もこう訴えている。「(動画投稿によって)彼らは悪評と名声のために、悪魔のような、精神を錯乱させる、狂った考え方を世に広めたかったのだ。(動画は)即座に削除されるべきであり、彼らの凶行を増幅させてはならない」
■ソースExtremist views of Gareth, Stacey and Nathaniel Train exposed in YouTube videos from night of police shooting(ABC News)
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【ワイアンビラ警官射殺事件の背景②】 過激思想に走ったきっかけは、本当にコロナ禍なのか?
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複雑怪奇な三角関係で結ばれた容疑者3人の末路
【ワンアンビラ警官射殺事件の背景①】 容疑者は過激な陰謀論に傾倒か!?より続く。
公共放送ABC(電子版)によると、元女性教師のステイシー・トレイン容疑者(45歳=ギャレス・トレイン容疑者=47歳=の妻)と、元校長のナサニエル・トレイン容疑者(46歳=ステイシー容疑者の前夫で、ギャレス容疑者の弟)の元夫婦2人は、ともに別々の州立学校に勤務していた。3人の複雑な三角関係は、上記の相関図を参照。
オーストラリア連邦政府は21年、欧米に遅れを取っていたワクチン接種を急ピッチで推進。州政府は公務員のワクチン接種を義務化した。接種を拒否したステイシー容疑者は21年12月、義務化の直前に勤めていたタラ郡州立学校を退職したとされる。
ABCが話を聞いた関係者の証言によると、ステイシー容疑者はコロナ規制やワクチン義務化に反発。職を失ったのを機に、陰謀論者だった夫のギャレス・トレイン容疑者の過激な主張に、次第に染まっていったという。
ナサニエル容疑者もニュー・サウス・ウェールズ(NSW)州立学校の校長を勤めていたが、21年8月に辞めている。退職理由は勤務中の心臓発作とされるが、同容疑者もまたワクチン接種を拒否していたとされる。
ABCが家族に近い関係者に聞いた話によると、同容疑者の精神状態はこの頃から次第に悪化していたといい、何らかの疾患を患っていた可能性も否定できない。
一方、ギャレス容疑者は以前から、政府や宗教団体、警察に対して過激な思想を持っていたようだ。ABCが反政府主義の「ソブリン・シチズン」や陰謀論のウェブサイトを調べたところ、「ギャレス・トレイン」の本名で書かれたコメントは19年に現れ始め、コロナ禍の21年以降に急増しているという。
QLD州警察のキャロル警視総監は今週、陰謀論やソブリン・シチズンのウェブサイトでのギャレス容疑者の言動について、詳しく捜査する方針を明らかにしている。
動画拡散で「凶行を増幅させてはならない」
警官を待ち伏せし、ライフルで射殺するという凶行。コロナ禍の環境変化がきっかけになったとしても、経済的に恵まれたオーストラリアで、自然環境が豊かで平和な農村地帯に住む3人が、なぜそこまで急激に過激思想に陶酔したのか。不透明な点はまだ多い。
インターネットが陰謀論やニセ情報を「一気に加速させた」ーー。クレア・オニール連邦内務相は15日、そんな認識を示した。同内務相は「私たちが議論する前に、警察と安全保障当局の捜査を待つことが重要だ」と断った上で、「原因の1つは過激化だろう。国家としていかに暴力を未然に防ぎ、対応するのか。私たち議員は重要な問いに対して、答えを出さなければならない」と述べ、真相究明を待って法整備を検討する考えを示唆した。
政治や宗教の過激主義に詳しいディーキン大のジョシュ・ルース上級研究員は、「パーフェクト・ストーム」(複数の災いが同時に起こること)が彼らを陰謀論や過激主義に走らせたと見ている。一般論として、人生を変えるような重大な出来事を経験することによって、過激化するケースが多いという。
いずれにせよ、動画が拡散して同様の事件が繰り返されることがあれば、射殺犯の”思うつぼ”だ。QLD州警察は「関係者の家族や警官に苦悩を与えるものだ」と述べ、動画が公開されている場合は削除し、再投稿しないよう呼びかけている。
QLD州警察組合のイアン・リーバース委員長もこう訴えている。「(動画投稿によって)彼らは悪評と名声のために、悪魔のような、精神を錯乱させる、狂った考え方を世に広めたかったのだ。(動画は)即座に削除されるべきであり、彼らの凶行を増幅させてはならない」
■ソース
Extremist views of Gareth, Stacey and Nathaniel Train exposed in YouTube videos from night of police shooting(ABC News)
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