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「お腹の赤ちゃん、かわいそう」 ナイキとプーマがカンガルー皮革の使用中止

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オーストラリアの関連業界に波紋

カンガルー皮革の使用中止の動きが広がっている(Photo: John Torcasio on Unsplash)

 世界的な大手スニーカー・メーカーのナイキとプーマが、動物愛護の観点から、カンガルーの天然皮革の使用を中止する方針を表明した。カンガルーの皮革を扱うオーストラリアの関連業界に波紋が広がっている。

 19日付の公共放送ABC(電子版)によると、2社は過去2週間に相次いでカンガルー皮革をやめて合成皮革に切り替えると発表した。これを受けて、オーストラリア南部アデレードでカンガルー皮革を生産しているなめし革工場は廃業を検討しているという。2社の需要が全生産の3割を占めるという北東部クイーンズランド州の工場も、経営が影響を受けるとの見通しを示した。

 カンガルー革は、ほかの動物の天然皮革と比べて軽量で、耐久性に優れているとされ、スニーカーの素材などに用いられている。しかし、狩猟家が皮革のために母親のカンガルーを撃ち、「育児嚢」(腹部の袋)に残された子どもが取り残されて餓死するのは「非人道的」だとして、動物愛護団体が反対している。

 ただ、カンガルーは生息数が多いため保護の対象にはなっていない。作物や農地を荒らすため、農業生産者にとっては害獣だ。皮革だけではなく食用肉としても幅広く利用されている。

「『カンガルーの適正な間引きは必要』と先住民の狩猟家 ナイキ、プーマの皮革使用中止で」に続く

■ソース
Puma and Nike’s plans to phase out kangaroo leather misguided, industry stakeholders say(ABC News)

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