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オーストラリア失業率、3.7%に上昇 労働需給が緩む兆しか?

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今後の景気は下り坂 雇用情勢も悪化へ

 オーストラリア統計局が18日発表した雇用統計によると、4月の失業率は3.7%(季節調整済み)と3月の3.5%から小幅に悪化した。

 就業者数は1,388万2,100人と4,300人減った一方で、失業者数は52万8,000人と1万8,400人増えた。労働参加率は66.7%と前月から0.1ポイント下落した。

 ABSの雇用統計部門の責任者を務めるビヨーン・ジャービス氏は声明で「年初からの3カ月間、就業者数は月平均3万9,000人のペースで増加してきたが、それが小幅に減少に転じた。それでも、人口に占める就業者数の割合と労働参加率は、いずれもコロナ禍前より高く、依然として2022年のピークに近い水準を維持している」と説明した。

 公共放送ABC(電子版)によると、失業率は市場予測の3.5%を上回った。わずかながら失業率の上昇傾向が見えてきたことで、ABCは「労働需給のひっ迫が緩み始めた兆し」と指摘した。

 インフレと利上げによる生活コストの上昇を背景に、オーストラリアでは既に個人消費が冷え込み始めている。このため、オーストラリアの景気は今年後半から下り坂に向かった後、2年程度は長期トレンドを下回る低成長が続き、雇用情勢も悪化すると予測されている。連邦政府が9日発表した新年度予算案の経済見通しによると、失業率は2025/26年度までに4.5%まで上昇すると見られている。

■ソース
Unemployment rate rises to 3.7% in April(Australian Bureau of Statistics)
Australia’s unemployment rate rises to a surprise 3.7 per cent as fewer workers hired(ABC News)





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