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インフレと利上げでぜいたく消費落ち込む オーストラリア非生活必需品支出、2カ月連続前年割れ

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「家計は生活コスト高騰に対処している」と統計局

 インフレと利上げの影響で、オーストラリアではぜいたく消費が減速しており、消費者マインドも悲観的な水準を維持している。

グラフ1:オーストラリアの非生活必需品(Discretionary)と生活必需品(Non-Discretionary)の家計支出指数の推移(出典:オーストラリア統計局)

 オーストラリア統計局(ABS)は11日、5月の家計支出に関する統計を発表した。これによると、2019年1月を100とした家計支出指数は127.4と前年同月比で3.3%上昇(4月は4.7%上昇)したが、伸び率は今年1月の16.6%から4カ月連続で鈍化している。

 インフレと利上げの影響で生活コストが高騰しているため、家計はぜいたく品の支出を控えている(グラフ1)。非生活必需品の家計支出指数は125.4と前年同月比で0.6%低下し、4月(1.0%低下)に続いて2カ月連続で前年同月を下回った。娯楽や文化、家具、床材、家財道具、服飾・靴などへの支出が落ち込んだ。

 生活必需品は6.9%上昇したが、4月の10.3%の上昇から減速した。食費や交通費、料理の配送サービスなどが伸びをけん引した。

 ABSのビジネス指標部門のトップを務めるロバート・ユーイング氏によると、非生活必需品のうち、装飾品と家財道具は4.8%、服飾・靴は3.4%、それぞれ前年の同じ月を下回った。家計支出全体では3.3%上昇したものの、21年7月以来1年10カ月ぶりの低い伸びとなった。ユーイング氏は「家計が生活費上昇の重圧に対処している」と指摘した。

グラフ2:ウェストパック銀・メルボルン研究所消費者信頼感指数の推移(出典:ウェストパック銀)

 一方、オーストラリアの景気先行きを示す7月の「ウェストパック銀・メルボルン研究所消費者信頼感指数」(11日発表)は81.3と前月の79.2から2.7%小幅に上昇した。ただ、同指数は「楽観的」と「悲観的」の中立状態である100を大幅に割り込み、08年のリーマンショックや20年のコロナ感染拡大時に匹敵する低い水準が続いている(グラフ2)。

 ウェストパック銀は「インフレの大幅な下落が信頼感を引き上げたようだが、豪準備銀(RBA=中央銀行)が7月に利上げを見送ったにもかかわらず、消費者は今後の金利の見通しを警戒している。同指数は非常に悲観的な水準を維持している」と分析した。

■ソース

Discretionary spending lower compared to last year(Australian Bureau of Statistics)

Consumer sentiment fails to respond to the RBA’s pause(Westpac IQ)





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