380匹放流は世界最大規模
絶滅が心配されているタツノオトシゴの一種「ホワイツ・シーホース」(英名:White’s seahorse/学名:Hippocampus whitei)の稚魚380匹が18日、オーストラリア東部シドニー湾北岸のチャウダー・ベイで放流された。公共放送ABC(電子版)が伝えている。
放流された稚魚はシドニー海洋科学研究所(SIMS)で繁殖された。この日、海洋科学者らが海に潜り、ビニール袋に入れた稚魚を生息に適した藻場や、タツノオトシゴの繁殖用に設置した人工のカゴに放った。オーストラリア東海岸ではこれまでもホワイツ・シーホースの放流プログラムが実施されているが、今回はタツノオトシゴの放流としては世界最大規模だという。
稚魚を育て、自ら放流作業に参加したSIMSの科学者、ミッチ・ブレナンさんは「(稚魚は)健康に大きく育った。外に出て、野生生息数の再生に貢献してくれることを願っている」とABCラジオに述べた。
ホワイツ・シーホースはオーストラリア東海岸に広く分布し、かつてシドニー湾や北方のポート・スティーブンスの湾内では豊富に生息していたが、洪水や都市開発の影響で激減。2020年にニューサウスウェールズ州の絶滅危惧種に指定されており、これまでに5回、シドニー湾とポート・スティーブンスで放流プログラムが実施されている。
■ソース
Record release of baby seahorses set to boost Sydney Harbour’s endangered population(ABC News)