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戦後78年、日本とオーストラリアが安保協力を加速 「自由で開かれたインド太平洋」のもとに

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日豪円滑化協定が発効 8月末の共同訓練で初適用

オーストラリア空軍の最新鋭ステルス戦闘機「F-35A」。日本で行われる共同演習に初めて参加する(Photo: Department of Defence)

 第2次世界大戦の終結から78年を経て、日本とオーストラリアは互いに戦った過去を乗り越え、安全保障面での連携を加速させている。日本の自衛隊とオーストラリアの国防軍が互いの国で活動する際の手続きを定める「日豪円滑化協定」が13日に発効し、8月末からオーストラリアと日本でそれぞれ行う共同訓練で初めて適用する。

 日本の防衛省の発表によると、オーストラリア北部準州ティンダル空軍基地などで21日から、航空自衛隊の戦闘機「F-35A」が初めて同国に飛来して共同訓練を行う。日本の空自小松基地では23日以降、日豪共同訓練「武士道ガーディアン23」を実施し、オーストラリア空軍のF-35Aが初めて日本での訓練に参加する。

 また、オーストラリア国防省によると、12月に日本で実施する日米共同方面隊指揮所演習「ヤマサクラ」にもオーストラリアが初めて参加し、兵士150人以上が訪日する。

 日本は同盟国・米国との間で日米地位協定を締結しているが、同盟関係にはない他国との部隊間の武器・弾薬の扱い、裁判の手続きなど法的地位に関する円滑化協定が発効するのは初めて。日本はオーストラリアに続き、今年1月、英国との間でも円滑化協定に署名(未発効)している。

激しい戦争と捕虜死亡の歴史を乗り越えて

 戦後の日本は、オーストラリアの天然資源を開発して輸入し、高度経済成長の原動力とした。オーストラリアも一次産品の輸出大国として現在の経済的繁栄の基礎を築き、日本との間で相互補完的な経済関係を築いた。

 一方、日本軍が勾留した多数のオーストラリア兵捕虜が死亡したことなどで悪化した対日感情を乗り越え、両国間では草の根の人的交流も拡大した。オーストラリアに住む在留邦人は約10万人と米国、中国に次いで世界で3番目に多くなり、日本を訪れるオーストラリア人もコロナ禍前には史上最高の約60万人に達した。

 加えて、近年は日豪の安保協力も拡大している。自衛隊とオーストラリア軍はカンボジアや東ティモール、イラクなどでの国際治安維持活動で連携。2007年には、両国の国防協力を促進する日豪安保共同宣言に署名した。昨年10月には15年ぶりに同宣言を更新し、有事の際に日豪が共同作戦を行う可能性に道を開いた。故・安倍晋三元首相が提唱した「自由と開かれたインド太平洋」という共有の理念のもとに、事実上の中国包囲網の構築を急いでいる。

 オーストラリアのリチャード・マールズ副首相兼国防相は14日の声明で次のように述べている。

「日豪円滑化協定は、オーストラリア国防軍と日本の自衛隊の戦闘能力の強化と、より緊密な協力を支援するものです。オーストラリアと日本は、安全保障をめぐる環境が複雑化する中で、地域の安定と繁栄を支えるために相互のパートナーシップを発展させていく必要があることを認識しています」

■ソース

Australia and Japan deepen defence ties(Australian Government Defence)





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