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輝け! ゴールドコーストの若きアスリート 犬飼眞子さん

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輝け!
ゴールドコーストの若きアスリートたち

ゴールドコーストの若きアスリート

第9回

リズミック・ジムナスティックス

犬飼眞子(いぬかいまこ)さん
(14歳)

 豊かな自然と晴天の多い温暖な気候、この恵まれた環境のクイーンズランド(QLD)州ゴールド・コーストでスポーツに挑む若きアスリートたちを紹介する。今回は、リズミック・ジムナスティックスで2年連続QLDチャンピオンに輝き、今年も優勝を目指す犬飼眞子さん。(文=堀千佐子)

どんな時でも、常に自分の居場所の中心にあるもの

――リズミック・ジムナスティックスとはどのような競技ですか?

 日本では「新体操」と呼ばれています。オリンピックでは女子だけの正式種目で、個人と団体があり、私は個人競技をしています。13メートル四方の床の上で、アパラタスと呼ばれる手具(しゅぐ)を使いながら音楽に合わせて演技を行う採点競技です。技の難度だけでなく表現力や芸術要素も必要とされるので、とても奥が深いんです。

 種目はフリーハンドの演技の他に、リボン、ボール、フープ、クラブ(こん棒)、ロープの5つの手具があり、試合では4種目が指定されます。私が一番好きな手具は、ダイナミックに演技ができるフープです。私は特別柔軟性があるわけではないので、その分スムーズでミスのない手具さばきで得点を上げていけるように、コーチと演技構成を考えます。

――始めたのはいつごろですか?

 始まりは幼稚園のころ、日本のカワイ体操教室での週1回の新体操クラスでした。小学3年生になる2016年4月にゴールドコーストへ移住して来て、ここでも続けたいと思って教室を探したところ、ゴールドコーストに唯一あった新体操クラブが、現在も所属しているエリート・リズミック・ジムナスティックス・クラブでした。私はナショナル・プログラムのレベル4から始めて、現在のカテゴリーで最高位のレベル9に挑戦しています。

――2年連続QLDチャンピオンになりましたが、コロナ禍中をどう乗り越えたのでしょうか?

 19年はレベル7、20年はレベル8のQLD州チャンピオンシップで4種目総合優勝できました。全国大会のナショナル・クラブス・ジムナスティックス・カーニバルでは、19年は種目別のフープで優勝、総合4位でしたが、20年はコロナ禍で中止になりました。

 通常なら試合に向けて、練習を重ねながら技を磨いて徐々に演技を完成させていくのですが、延期や中止になる恐れのある先の見えない試合に目標を合わせて練習するのは、なかなか大変でした。実際に、たくさんの仲間が目標を持てなくなって辞めていってしまう中で、「今年も表彰台に立つ自分」をイメージして練習しました。

 また、同じクラブで練習している同学年の日本人選手の存在も大きかったです。彼女も頑張っているから私も頑張ろうという支えになりました。今でも週5日18時間のトレーニングを続けているのは彼女と私の2人です。

20年QLD州大会優勝でのコーチとの喜びの1枚
20年QLD州大会優勝でのコーチとの喜びの1枚
19年ナショナル大会で優勝したフープの演技
19年ナショナル大会で優勝したフープの演技

――週末は海でニッパーズとビーチ・パトロールをしているそうですね。

 はい。19年からブロードビーチ・サーフ・ライフセービング・クラブでニッパーズを始めました。昨年はサーフ・レスキューの資格(SRC)を取って、週末のビーチ・パトロールもしています。今年6月にブロードビーチSLSCから、シーズン中最も頑張った女性に贈られる「Most Outstanding Female Award」という、とても名誉な賞を頂きました。自分から始めたことですが、新体操との両立はとてもハードだったので、驚きと共にうれしい受賞でした!

 新体操と対照的なアウトドアの活動は、解放感があり新鮮です。ただ、どうしても日焼けしてしまうので、コーチからは猛反対を受けています(笑)。

――この先の目標について教えてください。

 今年レベル9で挑戦する、8月に行われるQLD州チャンピオンシップでの優勝を目指しています。10月に予定されていた全国大会は、今年も中止されることが先日決定され、とても楽しみにしていたので残念です。

 今取り組んでいるレベル9は、大きな区切りとなる段階なので、完成度の高い納得のいく演技ができるように練習に励みたいと思います。

母、知子からのメッセージ

 来豪して、英語を覚え友達を作ったのも新体操でした。年齢や競技レベルが上がるほど練習が厳しくなり、楽しいだけでは済まないのですが、1つの事にとらわれず、他の好きな事にも挑戦できるのはオーストラリアだからこそ。その挑戦をサポートしてくれる人達への感謝も忘れずにいてください。

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