本好きにとって、トレンドに取り残されてしまうのはつらいところ。本連載では、シドニーCBDに店を構え、KINOと親しまれるオーストラリア紀伊国屋書店協力の下、トレンド・キーワードと共に読み逃せない話題の3冊と、日本のトレンドをキャッチするための最新ランキングをご紹介していきます。
今年も残り2カ月となりました。2021年の後半は各州でロックダウンがあり、なかなかうまくいかないことが多くあったかと思います。来年に向けて少しでも明るい話題が見られると良いですね。今月はそんなストレスを癒すための動物の本の特集です。実際にペットを飼っている人はもちろん、飼っていなくても写真や映像を見るだけでほっこりとした気分になれます。リラックスできる時間を見つけて難しい時期を健やかに乗り越えたいものです。
今、売れている本は? ベストセラー・ランキング(2021年9月4日~10日)
■新書ベストセラー
1 | 無理ゲ-社会 | 橘玲 | 小学館 |
2 | あなたを救う培養幹細胞治療 | 辻晋作 | 集英社インタ-ナショナル |
3 | スマホ脳 | アンデシュ・ハンセン/久山葉子 | 新潮社 |
4 | 人新世の「資本論」 | 斎藤幸平 | 集英社 |
5 | 新型コロナワクチン本当の「真実」 | 宮坂昌之 | 講談社 |
■文庫ベストセラー
1 | 未来 | 湊かなえ | 双葉社 |
2 | あきない世傳金と銀(11) | 高田郁 | 角川春樹事務所 |
3 | 護られなかった者たちへ | 中山七里 | 宝島社 |
4 | ぼくはイエロ-でホワイトで、ちょっとブル- | ブレイディみかこ | 新潮社 |
5 | 後宮の烏(6) | 白川紺子 | 集英社 |
今週のトレンド・キーワード「動物に癒されたい!」
ツイッター発の人気漫画
『犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい(1)』
松本ひで吉
講談社(価格:A$23 <会員価格A$20.70>)
100万リツイート突破の話題作! ツイッターで大人気の「犬と猫どっちも飼ってると」シリーズがついに単行本化。天真爛漫な犬くんと、魔王のように凶悪ながら愛らしい猫さま。どっちも飼えば100倍楽しい、笑いありホロリありのエッセイ・コミック。とっておきハプニング満載の、描きおろしエピソードも大量収録。
看板猫が迎えてくれる店
『東京猫びより散歩』
一志敦子
辰巳出版(価格:A$30.85 <会員価格A$27.77>)
イラストレーターの一志敦子さんが何度も通い、自信を持ってオススメする看板猫のいる店、猫とお客さんとの触れ合い、料理のおいしさの秘密、職人さんの手仕事など、丁寧に取材したからこそ描ける緻密で優しいタッチのイラストは必見。「おいしい!」「覗きたい!」看板猫が迎えてくれるお店を紹介。
ゆる~い生き方にもワケがある
『ナマケモノでいいんだよ』
ル-シ-・クック/訳・橋本篤史
光文社(価格:A$31.40 <会員価格A$28.26>)
ナマケモノは決して急がず、マイペースにやりたいことをやっていつも笑顔。一方、日々自分を見失いながら必死に働いても、ちっぽけなことしかできない私たちは本当に幸せ? クスッとした後でジワジワ沁みてくる不思議な生態と、古今東西の名言が教える、人生を「我が物」にするためのヒント。
ランキングからPick up!
『未来』
湊かなえ/扶桑社
「こんにちは、章子。私は20年後のあなた、30歳の章子です。あなたはきっと、これはだれかのイタズラではないかと思っているはず。だけど、これは本物の未来からの手紙なのです」──。ある日、少女に届いた1通の手紙。家にも学校にも居場所のない、追い詰められた子どもたちに待つ未来とは!? 湊ワールド全開の長編ミステリー。
KINOKUNIYA便り
年末に向けてクリスマスなど胸の弾むイベントが盛りだくさんの季節。しかし、ロックダウンなど厳しい状況が続いており、なかなか思い切り楽しむことが難しいですね。メンタルを健康に保つことも、この時期は大事なことなのではないかと思います。今回は動物の本を特集していますが、どんなジャンルでも自分が興味のある本を見つけて、心からリラックスできる瞬間を大切にしたいものです。