本好きにとって、トレンドに取り残されてしまうのはつらいところ。本連載では、シドニーCBDに店を構え、KINOと親しまれるオーストラリア紀伊国屋書店協力の下、トレンド・キーワードと共に読み逃せない話題の3冊と、日本のトレンドをキャッチするための最新ランキングをご紹介していきます。
いよいよ2021年も終わりが近づいてきました。今年後半はロックダウンが続いていましたが、徐々に規制が緩和され街に活気が戻ることを期待しています。来年は更に自由に行動できるようになると良いですね。さて12月と言えばクリスマスの季節です。今月は贈り物に喜ばれるような書籍を選んでみました。大切な人に何を贈るか考える時間は楽しいものです。贈る人の顔を思い浮かべながら、プレゼントを探してみてはいかがでしょうか。
今、売れている本は? ベストセラー・ランキング(2021年10月4日~10日)
■新書ベストセラー
1 | 沈黙のパレ-ド | 東野圭吾 | 文藝春秋 |
2 | 久遠の檻 | 知念実希人 | 新潮社 |
3 | 未来 | 湊かなえ | 双葉社 |
4 | 恨み残さじ | 佐伯泰英 | 文藝春秋 |
5 | 熱帯 | 森見登美彦 | 文藝春秋 |
■文庫ベストセラー
1 | デジタル・ファシズム | 堤未果 | NHK出版 |
2 | 人新世の「資本論」 | 斎藤幸平 | 集英社 |
3 | 新型コロナワクチン本当の「真実」 | 宮坂昌之 | 講談社 |
4 | スマホ脳 | アンデシュ・ハンセン/久山葉子 | 新潮社 |
5 | 楽観論 | 古市憲寿 | 新潮社 |
今週のトレンド・キーワード「贈り物に喜ばれる本」
東京に何が起きたのか!?
『東京幻想作品集』
東京幻想
芸術新聞社(価格:A$59.60<会員価格:A$53.64>)
ゲームやアニメの背景の作画などで幅広く活躍する他、東京の風景を自然に埋もれた廃墟として描くことで人気を集めるイラストレーター、クリエーターの東京幻想が、廃墟化した東京の街を圧巻の創造力で描き出した作品集。あり得ない未来の情景が想像を掻き立てる、はかなくも美しい世界がここに──。
キラキラと変化する無限の花々
『万華鏡プロジェクタ-』
大人の科学マガジン編集部
学研プラス(価格:A$70<会員価格:A$63>)
付録付きで人気の趣味の科学ムック「大人の科学マガジン」から発売の、壁や天井に幻想的な模様を投影する万華鏡。液体の入った試験管の中をガラスのビーズが移動し、模様がゆっくりと変化。部屋に映し出された映像を見ていると、まるで万華鏡の中に入り込んだような感覚に。組み立て方もイラストで丁寧に解説。
ジブリの“これまで”と“これから”を知る
『スタジオジブリ全作品集』
スタジオジブリ
講談社(価格:A$66.20<会員価格:A$59.58>)
『風の谷のナウシカ』から最新作『アーヤと魔女』まで、スタジオジブリのアニメーション26作品をこの1冊でまるごと紹介。ジブリ初のフル3DCG作品『アーヤと魔女』ができるまでの過程や、宮崎吾朗監督が語る制作秘話を収録。更には鈴木敏夫代表取締役プロデューサーのインタビューも掲載。
ランキングからPick up!
『沈黙のパレ-ド』
東野圭吾/文藝春秋
静岡のゴミ屋敷の焼け跡から、3年前に東京で失踪した若い女性の遺体が見つかった。逮捕されたのは、23年前の少女殺害事件で草薙が逮捕し、無罪となった男。だが今回も証拠不十分で釈放されてしまう。町のパレード当日、その男が殺された──。容疑者は、女性を愛した普通の人びと。彼らの“沈黙”に、天才物理学者・湯川が挑む!
KINOKUNIYA便り
あっという間に2021年も終盤。コロナ禍の事態が収束せずにすっきりしない日々を過ごした人も多いかもしれません。でもこれからはクリスマスに年末年始と華やかなイベントが続きますので、できる範囲で楽しんで気分を上げていきたいですね。特にクリスマスにはプレゼントを買ったりもらったりと、楽しみにしている人も多いはず。今年は贈り物にぴったりな書籍のプレゼントなどいかがでしょうか。