FPキョウコの
暮らしに役立つパーソナル・ファイナンス講座
オーストラリア生活に役立つお金の知識をファイナンシャル・プランナー(FP)吉住京子氏が解説。
所得補償保険加入、今がラスト・チャンス
もしけがや病気で仕事ができなくなったら、今のあなたの生活はどのくらい続くでしょうか。私たちの生活を支えているのはキャッシュ・フロー、所得なしでは生活できないですよね。車や家に保険を掛けている人は多いですが、所得を守ることを考えたことありますか?
所得補償保険とは、病気やけがで入院や通院、自宅療養を余儀なくされ働くことができなくなったり、収入が減少した場合に、税込み年収の75パーセントほどが補償され、一定期間(短期で1~5年、最長70歳まで)、毎月一定の金額を受け取ることができる保険です。
保険は医師が「就業不能状態」であると診断すれば、入院中でも自宅で静養していても、その期間内に保険金を給料のように受け取ることができます。交通事故で仕事に行けない場合、がんなどの疾病・疾患で療養する場合、またオーストラリアで多いうつ病など、一部の精神障害が原因で働けない場合でも保険金を受け取れます。
仕事ができない、仕事ができる時間が減った、所得が減った……という時にカバーされます。週10時間働いても保険クレームに影響しないというポリシーもあり、ビジネス・オーナーでも加入できます。
所得補償保険はトラウマ保険と共にクレームが一番多い保険です。死亡したり障がい者になる可能性は少なくても、ちょっとしたけがや病気で仕事ができないという状況を身の回りで見たことはあるのではないでしょうか。
そんな時に役立つ保険ですが、所得補償保険の定義には、所得の審査が加入時にされるもの(Agreed Value)とクレーム時にされるもの(Indemnity)の2つがあります。
Indemnityは保険料を支払っていても、クレーム時に仕事をしていなかったり、所得が下がっていたら保険が支払われない、補償額が下がるということがありますが、Agreed Valueは加入時の所得でのカバーが保障されているのでいつでも安心です。しかし、こちらの定義が2020年3月31日をもって廃止となります。現在、Agreed valueで加入されている人はそのまま継続可能ですが、これから所得補償保険に加入を考えている場合は早めに審査を行うことをお勧めします。
吉住京子
在豪日本人ファイナンシャル・プランナー/モーゲージ・ブローカー。クライアントそれぞれの状況に合わせた賢い戦略の提供に定評がある。在豪日系コミュニティーのためのチャリティー活動や各メディアでの連載記事・セミナーなども行っている。
(Web: sakurapartners.com.au)