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夏の終わりに歩くスリー・ケープス・トラック/タスマニア巡り

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第21回 夏の終わりに歩くスリー・ケープス・トラック

海抜300メートルのピラー岬とタスマン島

 3月に入ればタスマニアの夏は終わりに近づき、秋模様に。今回はそんな中を歩くスリー・ケープス・トラックをご紹介しましょう。

 タスマン国立公園内に2015年末にオープンした約50キロのトレッキング・コースは、州の新アトラクションとして国内外から多くのハイカーを集めている注目のトラック。3泊4日を掛けて世界遺産ポート・アーサー監獄跡地からフォーテスキュー・ベイに抜ける道中、その名の通りタスマン半島に突き出すラウール、ピラー、ホウィの3つの岬を望むコースです。

 最大の特長は、粗粒玄武岩の切り立った崖の景観。途中、足のすくむような高さの崖の上からタスマン海を見下ろす絶景を何度も見ることができます。海から天に向かって真っすぐにそそり立つ崖の高さは最高300メートル! 世界で最も高い玄武岩の断崖絶壁からの展望は、他では味わうことはできません。

 また、初日のスタートが船という点もユニーク。トラックはポート・アーサー監獄跡地からボートで対岸のデンマンズ・コーブに渡るところから始まるので、ポート・アーサー周辺をクルーズした後ようやくスタートとなるのです。

 トラック自体は2日目のアーサーズ・ピークや4日目のマウント・フォーテスキューを除けば、ほぼフラットに整備されているため歩きやすく、難易度は中の下。最終日、健脚であればホウィ岬突端までの往復にも挑戦を。3度のアップダウンの先に望むタスマン海はまた格別です。

 真新しい山小屋には48人まで宿泊可。ウッドデッキや望遠鏡も付いており、広々と快適に過ごせます。シーズン中にはレンジャーが常駐し、安心。ただしこのトラックは定員予約制。パスを取得していないと入れないので要注意です。また、スタート/ゴール地点までの移動手段はバスか車を考えないといけません。とは言え、そんな苦労が吹き飛ぶほどのすばらしい景観が待っています。まだ日が長く、歩きやすい気候の3、4月、ぜひともチャレンジを。

このコラムの著者

稲田 正人

稲田 正人

タスマニアのツアー・ガイド/コーディネーター。タスマニア大学で動物学・環境学を学んだ後、のんびりゆったりした生活感に魅せられ、そのままタスマニアに在住。現在は現地旅行会社AJPR(Web: www.ajpr.com.au)に勤務する傍ら、多過ぎる趣味に追われる日々を満喫中

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