優れた日用品からため息の出るようなとっておきのぜいたく品まで、スタッフの気になるアイテムを独自の目線でピック・アップしてお届け。日本とオーストラリアを中心に、時にはその他、世界各国のブランドから、ざっくばらんに紹介する。本当に良い物を愛用して、日々の暮らしを今よりもっと、心豊かに。大人の毎日を完成させよう。(文=石井ゆり子)
今月の気になる一品
休日の朝を部屋着のままでゆっくり過ごしたり、お気に入りの物を身に着けて眠りたい人はパジャマにもこだわりを持ち、着心地の良さはもちろんお洒落で可愛い物を選ぶのではないだろうか。そこで今回は、ルームウェアを専門に扱うオーストラリア発のブランド「peteralexander」の「Vegemite Flannelette Pj Set」をご紹介。
同ブランドは1987年、創業者のピーター・アレクサンダーが、友人たちから着心地が良くてお洒落な女性用パジャマがなかなか見つけられないと聞いたことをきっかけに、実家のダイニング・ルームのテーブルでパジャマ作りを始めたことからスタートした。創業後、大手百貨店で販売を開始したが、2,000着の注文がキャンセルされるという憂き目に遭ってしまう。しかし、女性誌にメール・オーダーの広告を掲載すると、何と6,000着のパジャマの注文を受けたという。以来、メディアからも注目を集め「パジャマ・キング」と呼ばれるようになった。彼は、パリやニューヨーク、アフリカのサファリなど世界の旅で得たインスピレーションに基づく遊び心溢れるデザインを手掛け、それらは各コレクションに反映されている。また、デルタ・グッドレムやミランダ・カー、ヒュー・ジャックマンらオーストラリアを代表するセレブリティーが同ブランドのパジャマを着ていることでも話題になった。
ピーターは、英国王立動物虐待防止協会(The Royal Society for the Prevention of Cruelty to Animals/RSPCA)の大使を務めるなど、動物愛好家としても知られている。彼の動物福祉への情熱に火を付けたのは、ペニーという1匹のダックスフントだった。そのため、ペニーは同ブランドのアイテムにロゴとして用いられたり、ショッピング・バッグに彼女の姿がプリントされるなど、ブランドのアイコン的存在となっている。
2014年、メルボルン・シティー南東部にあるチャドストーンのショッピング・センターにほど近い位置に同ブランド初の独立店がオープン。以降、16年までにオーストラリア・ニュージーランド各地に100店舗以上を有する人気店へと急成長し、現在も発展し続けている。同ブランドは、レディースを始めメンズ、キッズ・アイテムを展開し、パジャマだけでなく洋服やフット・ウェアー、ギフト雑貨なども取り扱っている。
ポップでキュートなデザインの商品が数多くそろう同ブランドは今シーズン、オーストラリアの国民的食品「ベジマイト(Vegemite)」をモチーフにした「Vegemite Flannelette Pj Set」を発売。ユニークかつ大胆なプリントが何とも可愛らしい。サイズはXS、S、M、L、XLが用意され、素材は100パーセント・コットンなので着心地が抜群、洗濯しやすいのもうれしい。トップは長袖で両サイドにポケットが付いており、フロントがボタン仕様のため、中にタンクトップやTシャツを着て手軽に羽織ることもできる。ボトムは、ウェストが締め付け感のないゴムなので、ゆったりとリラックスできる仕上がりになっている。また、同じ素材とプリントの巾着が付属しているので収納でき、旅行時にも便利だ。