歴史建造物「ウイロウ・グローブ」解体反対運動
グラディス・ベレジクリアンNSW保守連合政権は、パワーハウス博物館を現在のウルティモからパラマッタに移転する計画が阻まれたことで移転計画を断念し、パラマッタ川河川敷上にパワーハウス博物館パラマッタ分館新設に切り替えた。
しかし、分館建設には140年の歴史を持つ歴史建造物、ビクトリア朝イタリア風建築様式のビラ、「ウイロウ・グローブ」を解体することが前提となるため、地域住民が計画差し止め請求を行った。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。
ベレジクリアン州政府は、9億1,500万ドルの予算をかけたパラマッタ分館建設計画にゴーサインを出したばかりだった。
計画ではウイロウ・グローブは解体され、別の場所に再建されることになっている。
ノース・パラマッタ住民アクション・グループは、パワーハウス・パラマッタ分館計画認可への過程で環境評価手続きが州重大計画要求基準を満たしていないとの理由を挙げて計画認可に異議を申し立てている。
グループの広報担当者、シュゼット・ミード氏は、「私達にはこの差し止め請求訴訟を起こす他手段が残されていない。パワーハウス博物館分館建設計画はデザイン変更が可能だが、ウイロウ・グローブの歴史建造物としての意義はその立地を切り離すことはできない」と語っている。
グループの訴訟対象となる環境評価手続きの問題は、分館建設立地の変更を含めて現実的に実現可能な変更の評価を行っていないことにあるとされている。
さらに、環境評価では、立地の歴史遺産としての重要性や文化遺産としての価値に対する影響を回避したり、緩和する努力を行ったと証明しなければならないにもかかわらず、その証明を怠ったとされている。
土地環境裁判所に提出されたこの訴訟では、計画大臣またはその代理人の同意を無効とするよう求めている。
■ソース
Legal action launched to stop work on Parramatta Powerhouse