豪文学界の巨星、40年間に30冊の詩集
オーストラリア文学界の巨星として知られた詩人のレス・マレー氏が80歳で亡くなった。
ABC放送(電子版)が伝えた。
マレー氏は40年間にわたり30冊近い詩集を出版しており、オーストラリアの学校、大学でも教材として使われたり、研究対象になるなどしていた。また、外国語にも翻訳、出版されていた。
マレー氏のエージェントして30年間務めてきたマーガレット・コノリー氏は、最近健康を害しており、4月29日午後にNSW州北部海岸地域の町、タリーの高齢者施設で息を引き取ったと発表している。
コノリー氏は、「オーストラリア文学界の損失は計り知れない。彼の残した作品群はオーストラリア文学界の栄光の一つといえるだろう。もう、レスの新しい詩もエッセーも思想も生まれてくることがないと考えるだけで悲しみが募る」と語っている。
また、「彼は健康を損ねていたから、これは老齢による死ということだ」と語っている。
マレー作品の出版社、Black Inc.社は、「しばしば笑いを誘った彼の言葉は同時に彼独自のものだった。彼の詩はオーストラリア口語の共和国を創出し、そこでは私たちの日常の言葉が保存され、再生されていた」と述べている。
マレー氏はNSW州北部海岸地域のナビアクに生まれ、後には生まれ故郷への彼の強い愛着を表して「バンニャの吟遊詩人(The Bard of Bunyah)」と呼ばれるようになった。また、英女王から授かった「Gold Medal for Poetry」など数多くの賞を受けている。
そのように、彼の詩の多くはオーストラリアの歴史や風景、また彼が生まれ育ち、過ごしたNSW州北部海岸地域を題材としている。
コノリー氏は、「レスはオーストラリアとオーストラリアの大衆を深く理解しており、また、その作品を通じてオーストラリアを世界に広めることになった」と語っている。
マレーには妻のバレリーと5人の子供がいる。
■ソース
Australian poet Les Murray dies at 80