1980年代、いやいやながらのオーディション
北アイルランド出身でニュージーランドに移民し、映画俳優としてニュージーランドとオーストラリアを行き来しているサム・ニールは、国際的な映画では、「Jurassic Park(1993、2001年)」主演、ニュージーランドを舞台にした映画では、「The Piano(1993年)」、オーストラリアを舞台にした映画では、1969年にアポロ11号飛行士の月着陸の光景をパークスの電波望遠鏡で受信し、アメリカ経由で世界に報道したできごとを描いた「The Dish(2000年)」がある。
そのサム・ニールが1980年代にジェームズ・ボンド役のオーディションを受けていたことがABC放送(電子版)で伝えられている。
ジェームズ・ボンド映画25作目、「No Time To Die」の予告編が公開されたが、ニールがオーディションまで受けたが惜しくもボンド役を逃した話をABC放送に語っている。
ただし、ニール自身はジェームズ・ボンドを演じる気持ちはなく、エージェントがむりやりオーディションを受けさせたのだと語っている。
時期的には1980年代中期、ロジャー・ムーア・ボンド7作目で最終作になる「A View To Kill」の撮影が終了した頃で、ニールはすでに「The Omen」の続編にあたる「The Final Conflict」や、メル・ギブソン共演の戦争ドラマ「Attack Force Z」で知られていた。
オーディション・テープは、拳銃を握ったニールが寝室に入っていくと、シーツで身体を覆った女性がベッドで上半身を起こしているというもので、いかにもボンド映画向きのもので、ニールは、「友人は私をボンドと呼ぶ。ジェームズ・ボンド」とその女性に自己紹介している。
1969年にオーストラリアのジョージ・ラゼンビーが、「On Her Majesty’s Secret Service」でボンド役を演じたことがあるが、次作ではボンド役を引退していたショーン・コネリーが担ぎ出されている。
ニールはボンド役を逃したが、後にフランス南部の町のレストランでばったりムーアとすれ違い、眼が合った。そこでムーアがニールに、「ボンドを演じれば良かったのに」と言った。ニールが、「やりたくなかったんだ」と言ったが、ムーアは既に立ち去った後だった。
11月4日、サム・ニールは長年の映画俳優生活に対してAACTAの賞を受けた。
■ソース
How Sam Neill almost played James Bond (and who he wants to replace Daniel Craig)