もっとも多作家だったライバル美術家同士の作品
パブロ・ピカソとアンリ・マティスは友人同士でもあり、また、創作上の敵手でもあった。そうやって、2人は筆を競い合い、20世紀美術界の2人の巨匠になった。
その2人の展覧会がキャンベラで同時開催されている。
ABC放送(電子版)が伝えた。
200点近い絵画、版画、彫刻、紙、コスチュームの作品などの展覧会は、1906年に2人が出会う前の少数の作品から展示している。当時、ピカソはスペインからやって来たまだ世に出る前の24歳の天才、一方、マティスは36歳にして既にアバンギャルドのリーダーの地位を確立していた。
そこから、2人が色や形その他様々な実験的な作品で一作ごとにお互いの野心を刺激し合い、2人の軌跡は時に並行し、時に交差し合った。
1947年、80代に近いマティスがつくった明るい色の紙の切り抜きの連作や、1954年に友人マティスの死に応えてピカソが描いた3作まで2人の良きライバル意識が続いた。
この2人の作品を一堂に展示する展覧会は南半球では初めてであり、National Gallery of Australiaの所蔵作品も多数が展示されている。
その他にも、パリのMusee Picasso、Metropolitan Museum of Art、the Tate Modern、その他海外の公立美術館、国内州立美術館などの所蔵品、さらには故人所蔵品も22点が展示されている。
National Gallery of Australiaのニック・ミツェビッチ館長は、「2人の作品を初めから終わりまでを順番に順番に見せる手法を取りたくない。来館者には行きつ戻りつ自由な流れで見てもらいたい」と語っており、館内もそのようにデザインされている。
■ソース
Picasso and Matisse exhibition in Canberra highlights one of art’s most productive rivalries