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【オーストラリア連邦予算案】歳出面の主な施策は? 低所得者層への支援強化し、生活コスト高騰の打撃和らげる

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電気料金最大500豪ドル補助 失業手当や家賃補助、ひとり親手当も拡大

 オーストラリア連邦政府は9日に発表した2023/24年度(23年7月1日〜24年6月30日)予算案の目玉として、インフレと利上げによる生活コスト高騰の打撃を和らげる施策を盛り込んだ。主に低所得者層を対象に支援を拡充する。

 野党グリーンズ(緑の党)や慈善団体などからは、約30年ぶりの激しいインフレに対して対策が十分ではないとの批判が出ている。だが、財政支出の拡大はようやく落ち着いてきたインフレ圧力を再燃させ、さらに生活を苦しめることになりかねない。支援の対象を低所得者層に限定する苦肉の策となった。

光熱費対策は「0.75ポイント物価下げる」

 世界的なインフレやロシアによるウクライナ侵攻の影響で高騰した光熱費については、高齢者手当や失業手当などの受給者を対象に、7月1日から1回限り、電気料金を1世帯当たり最大500豪ドル補助する。条件を満たした小規模事業者にも1社当たり最大650豪ドル支給する。

 州・準州政府と共同で合計30億豪ドル(連邦政府は15億豪ドル)の予算を投じる。現金支給ではなく、電気料金の請求額から差し引く形を採るため、インフレ抑制効果があると政府は主張している。天然ガスと火力発電用石炭の卸売価格の上限規制による効果を合わせると、23/24年度の物価上昇を0.75ポイント押し下げるという。

 また、ひとり親手当の受給が可能な上限年齢を現行の8歳(最も若い子ども)から14歳に引き上げる。現時点のひとり親手当の基準金額は2週間当たり922.10豪ドルとなっているが、子どもが9歳以上になると、失業手当(2週間当たり745.20豪ドル)に移行する必要があり、受給額が減っていた。約5万7,000人のひとり親(このうち約5万2,000人が女性)と11万人の子どもが増額の恩恵を受けるという。初年度に4億豪ドル、5年間で19億豪ドルの予算を充てる。

失業手当は2週間で一律40豪ドル増

 求職者向け失業手当(ジョブシーカー)など所得支援の受給者に対しては、2週間当たりの基準金額を一律で40豪ドル引き上げる。約110万人の受給者が恩恵を受ける。これに加えて、9カ月以上にわたって失業手当を受給している55歳以上の求職者については、60歳以上のより高い基準金額を適用する。これにより、約5万2,000人の受給者の基準金額は2週間当たり92.10豪ドル増額となる。

 所得支援の増額には、初年度に10億豪ドル、今後5年間で47億豪ドルを拠出する。失業手当は今後も引き続きインフレに連動して自動的に引き上げられる。

 急騰している家賃の負担を軽減する施策としては、約110万世帯を対象に政府の家賃補助金を一律15%増額する。初年度に5億豪ドル、今後5年間で27億豪ドルを投じる。(続く)

■ソース

Delivering cost-of-living relief, Budget 2023-24

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