今月の気になる一品
優れた日用品からため息の出るような贅沢品まで、
スタッフの気になるアイテムを独自の目線でピック・アップしてお届け。
日本とオーストラリアを中心に、世界各国のブランドから紹介する。
本当に良い物を愛用して、日々の暮らしをもっと心豊かに。
大人の毎日を完成させよう。(文 石井ゆり子)
岩手県の盛岡市と奥州市で作られる「南部鉄器」は、江戸時代、大名たちの間で流行した「茶の湯」をきっかけに誕生した伝統工芸品だ。黒々とした、いかにも鉄らしい風合いの鉄瓶をはじめ、昨今、カラフルでスタイリッシュなデザインの急須などが製作されている。鉄瓶で沸かしたお湯はまろかなか味になり、鉄分が豊富な点が特徴だ。日本国内では、美容に良いと白湯を飲む健康法にぴったりだと話題となり、南部鉄器は世界のお茶愛好家からも注目を集めている。今回は、南部鉄器の老舗、岩手県奥州市の及源鋳造(OIGEN Factory)の急須と瓶敷を紹介する。
及源鋳造は、1852年に創業。鉄器のある暮らしの楽しさを提案し、鉄瓶や、鉄フライパン、鉄鍋、ギフトとしても人気の高い鉄急須などを製造・販売している。南部鉄器は、銑鉄を主原料として造られ、その魅力は素朴で深みのある味わいにある。仕上げに漆を塗ることで錆止めになり、鉄の素材を柔らかに生かす独特のデザインは、南部鉄器ならではの表情を作り出している。
今回紹介するのは、やわらかさのある「はだ文様」が特徴の鉄急須「つぼみ形小雪0.6L」と、可愛らしい雪の結晶のデザインが魅力的な瓶敷「雪格子」がセットになったウェブ・ファクトリー・ショップ限定の商品だ。鉄急須は蓄熱性に優れ、長時間、温かいお茶を楽しめる。また、サビの心配がない内部ほうろう仕上げで、茶こしも付いている。2~3人分のお茶を淹れるのにぴったりなサイズ。茶葉がしっかり開くため、より一層お茶のうまみを引き出し、大き目の葉のハーブ・ティー用のティー・ポットとしても使用可能だ。
瓶敷には滑り止めのゴム足が付いているので、安定して使うことができ、テーブルに傷が付く心配もない。スタイリッシュなデザインと及源鉄器ならではのマットな質感が魅力だ。ディスプレイや壁掛けとして飾るのもおしゃれ。キッチンに彩りを加えてくれる一品だ。
ブランド情報
Web: www.oigen.jp