優れた日用品からため息の出るようなとっておきのぜいたく品まで、スタッフの気になるアイテムを独自の目線でピック・アップしてお届け。日本とオーストラリアを中心に、時にはその他、世界各国のブランドから、ざっくばらんに紹介する。本当に良い物を愛用して、日々の暮らしを今よりもっと、心豊かに。大人の毎日を完成させよう。(文=石井ゆり子)
今月の気になる一品
地球環境の悪化が原因と見られる災害などを多く目の当たりにする昨今、環境問題は世界共通の話題となっている。大量生産・消費・廃棄を前提としたライフスタイルが地球規模の環境問題の一因となることを理解し、人びとが日常生活を見直すことで、地球環境の改善に取り組む必要があるのではないだろうか。近年、オーストラリアでもリサイクル商品や環境に配慮した商品を積極的に選ぶ人が増え、いわゆるエコ・フレンドリーな活動が注目を集めている。そこで今回紹介するのが「こけびー(KoKeBee)」のエコ・ラップ「KoKeBee the Beeswax Food Wrap」だ。
同商品は、コットン布に蜜蝋(みつろう)とオーガニック・ホホバ・オイル、天然樹脂を染み込ませた食品保存用のラップだ。蜜蝋とホホバ・オイルの優れた抗菌性により、食品の鮮度と味を保つだけでなく、カラフルで可愛いプリントがキッチンを華やかに彩ってくれる。S、M、Lサイズが用意され、豊富なデザインのセットは用途によって使い分けることが可能。手の温もりでラップを温めることで、どんな形にもフィットし、手洗いして何度でも繰り返し利用できる点が特長だ。
使い続けることで少しずつ柔らかさと味わいが増し、更に包みやすくなるため、野菜やパンはもちろん、サンドイッチやおにぎりなどのランチの包装や、容器の蓋(ふた)としても使用することができる。アイデア次第で使い方は無限大だ。くたびれてきてしまった場合、温めて蜜蝋を少し溶かして再生させることが可能なため、1年以上何度でも繰り返し使える点もうれしいポイント。自然分解する素材なので最終的には土に還すことができ、プラスチック・フリーの地球環境に優しいアイテムと言える。
同商品を使うことで、人体に有害なBPAなど環境ホルモンの摂取量を抑え、プラスチック・ゴミの減少にもつながる。また、素材を提供するオーガニック農業や養蜂家の活動をサポートし、農薬、殺虫剤、化学肥料の使用量を減らす第一歩になるだけでなく、絶滅の危機にある蜜蜂(みつばち)を守り、増加させることにつながるという。蜂による受粉の活発化で、地球が元気になる好循環が実現することはサイエンスの世界でも指摘されている。自然環境に良い影響を与える物を使用することで少しでも地球に優しくありたいと願う人に、こけびーのエコ・ラップはぜひお薦めしたい商品だ。
同ブランドは2016年、シドニー在住の日本人女性らによって設立された。商品販売だけにとどまらず、同商品の作成法を伝授するワークショップを世界各国で開催。プラスチックが環境に与える影響や、有機綿花栽培農家や養蜂家が抱える問題、蜜蜂が生態系のみならず農業をどのように支えてきたかなどについて話し合い、エコでプラスチック・フリーな生活を推奨する啓発活動を行っているという。また、持続可能な社会の実現に向け、フェアトレードにも積極的に取り組んでいる。
今回は、同商品を3名様にプレゼント。詳しい応募方法は「CATCH THE NEWS」を参照。消費者としての意識を少し変え、地球環境に興味を持ってエコ・フレンドリーな活動をキッチンから始めてみては。
■Web: kokebee.com