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オーストラリアで話す日本酒のお話【第8回】シドニーで「酒の祭り」を楽しむ

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オーストラリアで話す日本酒のお話

第8回:シドニーで「酒の祭り」を楽しむ

今年6月に開催されたメルボルン酒祭りの盛況ぶり
今年6月に開催されたメルボルン酒祭りの盛況ぶり

スキー、観光、アニメ、ラーメン……。オーストラリアにしばらくお住まいの皆さんなら、ここ数年「日本人気」がかなり熱くなっているのを感じませんか。また最近こちらに移り住んだ人は「日本に行ったことあるよ!」というオージーの多さにびっくりされたのではないでしょうか。それもそのはず、約10年前の2008年には24万人余りだったオーストラリアからの訪日客は、昨年には2倍以上の55万人まで増えました(出典:JNTO)。またオーストラリアからの旅行者は、滞在と飲食に掛けるお金もトップ・クラス。行ったからには楽しみたいオージーの気質が表れています。この日本人気でじわじわと広がりつつあるブームが日本酒です。

シドニーではここ数年、10月に「酒祭り」が開かれています。オーストラリアで楽しむことのできる日本酒を1カ所で網羅する絶好の機会ですが、友人に「日本人なら日本酒のこと知っているでしょう。どれがおいしいか教えて」と会場でいきなり聞かれて困る、というシチュエーションもあり得ます。そこで幾つかの基本をマスターしておきましょう。

まず「どんなスタイルが好き?」と聞いてみる

ライトあるいはフレッシュな飲み口が好き、という答えなら吟醸スタイルを薦めてみましょう。白ワイン好きや日本酒デビューをしたい初心者には、きりっとしていてかつ優しい口当たりの新潟県産のお酒が好評です。

あいまいな返事なら好きな料理に合わせて

ロックでも楽しめる新潟の吟醸酒・吉乃川
ロックでも楽しめる新潟の吟醸酒・吉乃川

和食ファンであれば、柔らかな味わいの純米酒が魚にも肉にも良く合います。食事の前半には冷やした純米吟醸、後半のよりボリュームのある料理には厚みのある純米を常温あるいは燗で、といった提案もできます。

こだわり派には「山廃」はどうでしょう?

日本酒は、ワイン好き、あるいはグルメで新しい味に挑戦するのが趣味、といったオージーにもぴったりの飲み物です。製法に「山廃(やまはい)」とあれば、味わいはより複雑、深みとコクがありチーズやステーキにも良く合う、という印だと思って試してみてください。マッチングを想像しながら飲むと、味わいも違ってきます。「山廃」なんて変な響きですよね。もちろん造りの意味はちゃんとあるのですが、それはぜひ会場を訪ねて頂き、蔵元さんに聞いてみてください。日本人の私たちにも新鮮な発見が、シドニー酒祭りで見つかるはずです。

■シドニー酒祭り
日時:10月19日(土)昼の部11AM~3PM、夜の部4PM~8PM
会場:Cell Block Theatre, Forbes St., Sydney NSW
料金:$64.36
Web: sakematsuri.com.au

雄町稲穂
在シドニー歴20年以上。日本での仏・独・豪ワインの輸入販売を経て、シドニーのブティック・ワイン専門会社に入社、日本やアジア諸国へ豪州プレミアム・ワインを輸出。現在は豪州食材を世界に広める企業に勤務。日本酒は2017年にWSET(Wine & Spirit Education Trust)のSake Level 3、19年にSSI(Sake Service Institute)国際唎酒師を受講・合格。引き続きスキルアップのため「テイスティング」に励んでいる

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