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「夢のマイホーム」を手に入れるための段階的アプローチ/オーストラリア不動産の現状

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長期にわたり豪州不動産販売のアドバイスやサポートを手掛けるGIM Capital Professional Pty Ltdが豪州不動産市場の動向や情報を分かりやすく解説。


 最近注目されている法定利率の値上がり動向や、オーストラリア移民増加計画がもたらす豪州不動産への影響を含み、マイホーム購入を実現させるための段階的なアプローチ法を解説します。

 豪州不動産は、「①人口増加」「②都市集中」「③経済の堅調さ」を主な理由とし、歴史的に価格が上がりました。そのため、「20年以上前のあの時に買っておけば良かった」「7年前に気に入った物件があった」「コロナ禍で値段が下がると思っていたのに」と後悔している人や、本来であれば賃貸を続ける場合、その出費が家計に響くにも関わらず、後悔の元に機会を逃して賃貸生活を続けざるを得なくなった人もいらっしゃるかもしれません。昨年後半の空室率の低下で賃貸不足は社会的に明白で、地価の高騰後であることも影響し、賃貸価格が上昇傾向です。残念な表現ではありますが「レントジプシー」と呼ばれる賃貸生活でオーナーの家賃価格の提示額にされてしまうという現実もあります。昨年3月の国境開放と共に増えた人口により1%を下回る低い空室率は、インフレーションの波と共に、人びとの生活様式を変えつつあると言えるでしょう。

歴史をさかのぼって購入を空想してみる

 では、本当に20年前は、楽に購入できていたのでしょうか? 昨今、豪州政府発表の法定利率の上昇が注目されていますが、実際にはコロナ禍で年間4回もの利率下落で経済をサポートした政府の施策で一時期の低金利でした。2003年時点の法定金利は6.5%と、現在の3.6%を大きく上回っています。

 更に33年前の1990年であれば17.00〜17.50%と驚異的に高い数値で、実際のところ、当時の安価な価格で不動産を購入できたとしても融資を銀行で受けていた場合、返済が簡単ではなかったことが見て取れます。当時の賃金を考慮しても、以前の価格で購入を実行していたとしても、そう楽な選択肢ではなかったことが容易に想像できます。

ホップステップアップで実現しよう

 「自宅購入」という現実的な目標をクリアするのは、そう簡単ではない! というのが昔も今も変わらない共通の悩みであることが判明したところで、具体的な将来設計を描いてみましょう。居住したいロケーションや最低限確保したい間取り、日当たりなど優先したい条件を考慮し、どうしても生活水準は下げたくない場合、購入額に反映して家族や自身の生活を考えるとやはり賃貸しか選択肢がない人もいるかもしれません。確かに初の不動産購入で「理想」を全て叶えるのは困難でしょうが、不動産投資を利用して目標達成させる手もあります。

 最初は価格が抑え目で将来性あり、キャピタルゲイン(物件価格)とインカムゲイン(賃貸家賃)の見込みがありそうな投資物件を購入し、その家賃収入で自身の収入額を増やし、その担保価値を利用して次の物件で自身の夢の物件を購入。もし、2軒目でも現実が叶わない場合は、3軒目、実際には4軒目でどうにか最も住みたいマイホームを手に入れた人も存在します。あきらめるという道を選ぶのは非常に簡単です。なぜなら「変わらない」「変えない」ままだからです。しかし、現実に賃貸物件不足が切迫しているオーストラリア。オーナーとしてテナントから家賃を回収し投資用物件の保有で資産を増幅、最初はレントインベスターで自宅は借りながら、投資物件で将来の夢の実現を目指すという、段階的挑戦「ホップ・ステップ・アップ」で資産を増やし、最終的な目標をクリアするという手段があると言えます。

 ただし、この場合は将来性がある不動産を賢く選ぶ必要があり、逆の作用にならないように留意することも忘れてはいけません。例えば、物件価値が上昇せずにむしろ下降した場合、活用どころか資産減少になりかねません。もしこの方法を考慮するとすれば、優良品質で将来性のある物件を厳選することが必須となります。

オーストラリア移民増加計画の影響

 オーストラリア政府は、2年後までに65万人の高度な技術を有する人材を移民として受け入れると発表しました。それは、住宅不足のオーストラリアに更に住居が必要になることを意味します。安価な価格での住宅提供や、現在の供給不足を補う何らかの施策が望まれていますが、いずれにしても良質な住まいの取り合いが激化することも予測されています。

 その一方で、工賃や欧州からのキッチン部材などの輸入部品、建築部材、特に鉄と木材の国際的な需要増でのトリプル値上がりが要因となり、今後建造される住居の高騰が予測されています。昨今、実際に急な集合住宅の値段の変更が増えています。海外からの移民が1人増えるということは、借りるにしても買うにしても1つの住処は必要になるということです。

 現在の賃貸住宅不足に対し、更なる65万人分の住居を確保するため、オーストラリアの賃貸人が競争的な境遇にさらされる可能性は多々あります。オーナーの権利が強いこの国では、同じ賃貸に希望の家賃額で住み続けることを望むのはまず簡単ではありません。ご自身の資産となる我が家を前述の戦略的方法で手に入れるのも賢い人生の選択肢の1つと言えます。やはり今後も目が離せない豪州不動産市場。皆様が専門家のアドバイスを参考にして、失敗なく豊かな生活の礎として不動産購入を検討されることを心から願って止みません。

●1990年〜2023年4月の法定金利一部抜粋

1990年1月17.00~17.50%
2000年1月5.00%
2010年1月3.75%
2020年1月0.75%
2023年4月3.6%

このコラムの著者

鶴美枝

鶴美枝

グローバル・インテリジェンス・マネージメント代表。創業2010年以来、豪州各地の優良不動産を厳選し、豪州及び日本在住のホーム・オーナー若しくは投資家の方々の購入をサポートし資産増幅、理想の住まいの確保に日々尽力中。日本と豪州にて法学部大学院卒業。豪州不動産フルライセンス保持

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