インタビュー:サム・ケレビ選
東京サントリーサンゴリアス所属のサム・ケレビ選手の第一印象は「スピードとパワーを併せ持ったすごいCTBが出てきた」だった。そして、まさかその絶頂期に日本のリーグでプレーしてくれるとは思いもよらなかった。
「来日前に兄弟(兄ジョシュア氏、弟ジョネ氏共に日本でプレー)からいろいろと日本のことを聞きましが、まだまだ豪州との違いは数多くあります。これはもう慣れるしかない。逆にそのことで思い出を作ることが楽しみです」と、日本での暮らしについてあくまでも前向きだ。
ワラビーズの先輩であるマット・ギタウ氏やレッズ時代の同輩ツイ・ヘンドリック氏らにサントリーの話を聞いたことで、歴史ある強豪チームで自らも力を注ぎ、貢献し、歴史をつなげていきたいという思いも生まれた。
東京五輪については、「すごく良かったのは開会式に参加できたこと、他国の多くのアスリートたちと選手村で過ごせたことです。国の代表として戦うことができたことに感謝しています」。その直後のワラビーズへの復帰については、「五輪での試合が終わり、チームが翌日に豪州に戻るという最後の夜に復帰の連絡がありました。東京に残ってサントリーに戻るつもりでしたので、とても驚きました。やはり国の代表としてジャージを着るということは本当に光栄なことだし、何物にも代えられない価値がある。後々、人生を振り返った時に、五輪代表とワラビーズに選ばれたことは、自分の中の大きな栄光になるでしょう」と話してくれた。
話をしていくうちに、彼の人柄にすっかり魅了されてしまった。また折を見て、彼の日本での生活について触れていければと思う。
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、初のオンライン取材となったが、貴重なオフに快く時間を割いてくれたケレビ選手、通訳を担当してくださった東京サントリーサンゴリアス事務局白鳥あゆ美氏、チーム・プロモーション兼TOCの植田悠太氏に深く感謝申し上げたい。
このコラムの著者
山田美千子
ラグビーに魅せられおよそ20年。「強い時も弱い時も、ナンバー・ワンはいつでもワラビーズ!」と、自他共に認めるワラビーズ・オタク。歴代の愛犬の名前はワラビーズ選手が由来。得意なことは、ワラビーズの次世代エースを見つけること。苦手なことは、写真を撮られること。