気象庁は、「まだ当分降り続く」と予報
3月30日付シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)の報道によれば、NSW州の各地に大雨、洪水、強風の被害を出しているが、気象庁の長期予報では、この長雨の気象条件が当分続くだろうとしている。
3月も余すところ1日になったが、今年、シドニーの3月降雨量は1859年の気象観測記録開始以来の最高記録を更新したと発表されている。
3月が後42時間で終わる3月30日午前11時までの記録では3月の積算降雨量は、537mmに達しており、シドニーの3月降雨量としては新記録になったばかりでなく、シドニーの1か月の降雨量としてはも過去第6位につけている。
シドニー・オブザバトリー・ヒルの気象観測所の統計では、3月の降雨量で第2位は1942年の521.4mm、第3位は1870年の474.6mmがある。
SMH紙系民間気象予報機関、ウェザーゾーンのベン・ドメンシノ予報士によると、「2021年より前は、シドニーでは平均すると6月がもっとも降雨量の多い月だったが、昨年、今年と2年続きで異常気象が繰り返されており、長期平均さえ3月がもっとも雨の多い月になってしまった。シドニーの長期的な気候が変化してしまった。また、長期的にも夏の多雨化と冬の乾燥化が進んでいる。これも気候変動の現れの一つだ」と語っている。
BoMによると、29日午前9時から30日午前9時までの24時間の積算降雨量では、バリナとリズモアの中間にあるオルストンビルでは431mmの降雨量があった。また、バイロン・ベイ、バリナ空港では282mmを記録している。これに比べると、シドニーでもっとも雨降りだったこの3月の積算降雨量は527.4mmでしかない。
そればかりか、バリナ付近では30日午前9時までの7日間に919mmの積算降雨量があり、その半分が24時間で降っている。
さらに、西太平洋地域では貿易風が例年平均よりも強いままになっており、厳しい気象条件の衰えが遅れているため、現在の多雨条件も2022年後半にならないと好転しないと予想されている。
アメリカの海洋大気圏庁(NOAA)のモデリングによると、次の夏には3回目のラ・ニーニャか中間的な条件になることが予想されているが、オーストラリア、ヨーロッパのモデリングではむしろ中間的な条件になると予想されており、冬になればさらに正確な予想ができる。
■ソース
Rain forecast to continue as Sydney clocks up wettest March on record