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フィジオセラピストに聞こう!/目覚めよ! お尻の筋肉!

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フィジオセラピストに聞こう 体の痛み改善法

フィジオセラピストは、筋肉や関節の痛みや機能障害、神経系機能障害や呼吸器系疾患などの治療やリハビリを行う専門家で、必要に応じてMRIや専門医を紹介し、包括的な治療を行っている。さまざまな体の機能を知り尽くした奥谷先生に、体の痛みの原因や改善法について聞いてみよう!

第99回 目覚めよ! お尻の筋肉!

明けましておめでとうございます。今年も皆さんが健康に過ごせますように。さて、オーストラリア・オープンの季節ですね。テニス観戦をしているとよく見るレシーバーの前傾姿勢、特徴的ですよね。お尻を後ろに突き出し、上半身を前に深く倒しながらも胸をサーバーに向けて反っている。サーバーがトス・アップすれば上半身を更に起こしてスプリット・スクワット。そしてこのスプリット・スクワットの着地では、ひざは前に動かさずお尻を後ろに突き出したまま。なぜだと思いますか?

この姿勢によって、着地の負荷をお尻(股関節)の動きで吸収し、ひざに必要以上の負荷を掛けずに済むのです。ひざの故障は、テニスのように前後左右上下の急な動きを要するスポーツをする方に多いけがです。しかし、体の使い方を少し工夫することで、ひざに掛かる負担を軽減できます。股関節を使うことで臀部(でんぶ)の筋肉も効率良く使え、軽く素早くコート内を動くことができ、ショットも威力が増します。もちろんジャンプ力やコートの守備範囲も拡大します。それは臀部の筋肉から出る力の方が、ひざ周辺の筋肉(太ももの筋肉)からの力よりもはるかに大きく強いからです。言い方を変えれば、テニスでひざを痛めると言うことは、股関節をちゃんと屈伸させて使うことができておらず、ひざに負荷が掛かり過ぎているからかもしれません。

股関節を意識してスクワットをしよう!

実は臀部の筋肉を正しく使えている人は非常に少ないです。デッド・スクワットで、お尻の筋肉を目覚めさせましょう!

  1. 後頭部とお尻に棒を当て30度の前傾姿勢をとる。
  2. お尻を後ろ斜め下に押し出し、かがむ。この時、ひざが前方に出ないこと、背中の棒が先の2カ所から離れないように気を付ける。
  3. これを10回×3セット行う。
  4. 上記のスクワットが簡単な場合は、両足を肩幅に狭め、同様に行う。棒の代わりに、3~5キロのお米やボトルなどのウェイトを胸の近くに持って行っても良いでしょう。

奥谷匡弘(おくたに・ただひろ)
シドニー大学理学療法学科卒業後、西オーストラリア大学で理学療法修士号取得。ダーリングハーストのセント・ヴィンセント病院で5年間勤務し、プライベート・クリニックでは財界の著名人などの治療に多く携わる。オーストラリア・フィジオセラピー協会公認筋骨格系理学療法士。
Web: www.metrophysiotherapy.com.au

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