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痛みがない親知らずでも、抜歯はするべきですか?

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日豪プレス何でも相談

医療

Q

先日、歯医者から親知らずを抜いた方が良いと勧められました。痛みは全くないのですが、本当に親知らずを抜歯した方が良いのでしょうか?(20代女性=会社員)

A

親知らずとは、奥歯の3番目の歯のことです。1,000年も前のことですが、昔の人びとは現代人と違って顔が大きく骨格も大きかったため、親知らずの歯も必要でした。しかし、時代と共に人間の体も進化して行き、顔も昔に比べだんだん小さくなりましたが、歯の大きさは昔と変わりませんでした。それによって現代人の口の中には親知らずが生える十分なスペースがないため、図のように、歪んで生えてきてしまいます。

いつから親知らずは生え始めるのか

親知らずは、大体18歳を超えると生え出してきます。平均で20~24歳くらいと言われていますが、生え始めのころはあまり歯が見えないのでなかなか気付きません。親知らずが生え出すと歯茎から痛みを感じ、時には首の周りまでもが痛みます。これらの痛みは上の親知らずよりも下の親知らずからの場合がほとんどです。

早めに親知らずを抜歯した方が良いのはなぜか

親知らずや親知らずの前に生えている歯は特に虫歯になりやすいと言われています。右の写真は、ある患者さんが親知らずを1年間放っておいた際のレントゲン写真です。1年後には、親知らずの前に生えている歯がとても大きな虫歯になってしまい、最終的に神経治療をしなくてはならない状態でした。

親知らずが真っすぐきちんと生えている方にも抜歯をお勧めしたいです。なぜならば、親知らずは一番奥の歯なので歯磨きや糸ようじを使用しても汚れがきちんと取れず、そこから細菌が入り虫歯になりやすいからです。

親知らずとその前の歯の間に詰まった食べ物が奇麗に取れずにばい菌となり、歯を支えている骨が溶けて歯が自然に抜け落ちてしまうことがあります。今までの患者さんの中にもそのような方がいました。

抜歯すればリスクはないか?

親知らずを抜歯すれば、こうした事態を免れやすくなります。しかし、ごくまれに親知らずが真っすぐ生えており、虫歯のリスクなどもなく、親知らずが生えているが故に歯のかみ合わせが良い方もいますので、親知らずを抜歯する場合には、必ず歯科医院で親知らずの状態の確認とレントゲン撮影をしましょう。

*オーストラリアで生活していて、不思議に思ったこと、日本と勝手が違って分からないこと、困っていることなどがありましたら、当コーナーで専門家に相談してみましょう。質問は、相談者の性別・年齢・職業を明記した上で、Eメール(npeditor@nichigo.com.au)、ファクス(02-9211-1722)、または郵送で「日豪プレス編集部・何でも相談係」までお送りください。お寄せ頂いたご相談は、紙面に掲載させて頂く場合があります。個別にご返答はいたしませんので、ご了承ください。


ノックス・キム院長
シティ・ワールドタワー歯科(Dental Clinic @ World Tower)

オーストラリア・シドニー大学歯科学部を卒業。キャンベラやストラスフィールドで勤務した後、03年にワールドタワー・レーザー歯科を開院(東京・大阪・名古屋・千葉・京都・アメリカに提携クリニックあり、医療法人スワン会グループ)。一般歯科治療の他にも多くの歯科関連資格を保持。インビザライン特別推薦ドクター。東京臨床協会(SJCD)、アメリカ審美歯科学会会員。シドニー大学臨床講師

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