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NSW州政府の鉄道労組対決戦術裏目に出る

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Fair Work Commissionへの提訴取り下げ

 2月22日付ABC放送(電子版)は、NSW州政府が鉄道市電バス労組(RTBU)を労使関係調整機関のFair Work Commissionに提訴していたが、これを取り下げたことを伝えている。

 ドミニク・ペロテーNSW州政府は、提訴の取り下げを発表し、「週末まではコロナウイルス時刻表に従って運行し、2月28日より通常運行に戻るよう望んでいる」と発表している。

 デビッド・エリオット運輸相は、「弁護士と話した結果、取り下げることにした」と発表しているが、一方、RTBU側は、2月21日に政府が全面運休の理由とした「リスク・アセスメント」について釈明を要求する証拠文書提出命令を取った。これについてはエリオット運輸相は、「運休の理由は正当だった」と反論している。

 また、労組に対する訴えを取り下げたことについても、「労組代表とフランクに充分に話し合った結果、決定した」と説明している。

 2月21日、RTBUの鉄道運行に差し支えない程度の低レベルの争議行動に対して、NSW運輸局が「労組の労働争議で列車運行の安全が懸念される」として、シドニー地域の列車運行を完全に停止した。そのため、大勢の通勤通学客が各地の駅で立ち往生した。

 労組をFair Work Commissionに訴えたエリオット運輸相が訴えを取り下げたことについて、RTBUのNSW支部は、「交渉の場で、21日に列車運行の完全停止決定の理由になった列車運行の安全が懸念されるとしたリスク・アセスメントを見せてくれと労組が要求したがアセスメントは提出されなかった。そこで証拠文書提出命令を取ったところ、政府はFair Work Commissionへの訴えを全面的に取り下げた」と発表している。

 エリオット運輸相は、「運輸局のアセスメントを直接見たわけではないが、労組の争議行動で列車運行の安全に支障があると判断したことは間違っていないと思う」と語っている。

 エリオット運輸相は、「主任弁護士が、政府は交渉の透明性だけでなく、相互の善意も考慮すべきだとの勧告案を提出している」と述べている。

 運輸相と労組の話し合いは、2月24日に予定されている。
■ソース
NSW government drops case against rail union in Fair Work Commission

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