政府部門の「純業務収支」ベース 「純債務」はGDP比34%に上昇

オーストラリアは主要格付け会社から最高ランク「AAA」(トリプルエー)の評価を受けるなど、財政の健全性については、主要国の中でも優等生とされる。同国の統計局(ABS)は21日、政府部門の財政に関する統計を発表し、その中身を公表した。
これによると、2024-25年度(24年7月1日〜25年6月30日)の政府部門(連邦政府、州・準州政府、地方自治体の合計)の歳入は、1兆223億5,100万豪ドル(約117兆円)と前年度比で4.5%増えた。歳出は1兆305億1,100万豪ドルと同7.4%増となった。いずれも初めて1兆豪ドルを突破し、前年度に続いて史上最高を更新した。
歳入から歳出を引いた単年度の収支は、3年度ぶりに赤字に転落した。企業の営業収支に近い「純業務収支」は、81億5,900万豪ドルのマイナスとなった。同収支は、インフレによる税収の上振れなどを背景に、23-24年度まで2年連続で黒字を達成していた。しかし、24-25年度は、所得税減税や公共部門の賃金上昇、社会保障費の伸びなどから歳出が膨らんだ。

一方、国の債務の総額から現金や金融資産を引いた「純債務」は、9,549億豪ドルと前年度から1,083億豪ドル拡大した。財政健全性の指標となる「純債務の対国内総生産(GDP)比」は、34.4%と前年度の31.6%から上昇した。
なお、ABSの純業務収支は、連邦財務省が年に2回公表している「基礎的財政収支」とは会計基準や算出方法などが異なる。ただ、方向性はおおむね一致している。
連邦財務省は5月12日に発表する26-27年度予算案の中で、最新の財政と経済の見通しを明らかにする。個別の施策としては、燃料減税の財源や供給不足への対策、天然ガス企業への増税の是非などが焦点になると見られる。
◼️ソース
Government Finance Statistics, Annual(ABS)
Insights into Government Finance Statistics, Annual, 2024-25(ABS)