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豪GDP、6月期は前年同期比3.6%増

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前期比0.9%増 3期連続プラス

豪実質GDPの推移(出典:ABS)

 オーストラリア経済は個人消費主導の力強い回復を続けている。だが、今後はインフレ抑制のための急速な利上げの影響が、景気にブレーキをかける可能性も否定できない。

 豪統計局(ABS)が7日発表した国民経済計算統計によると、6月四半期の豪実質国内総生産(GDP)の成長率は前年同期比で3.6%増となった。個人消費や輸出の伸びが成長に寄与した。

 前期比では0.9%増と3月期(0.7%増)から小幅に加速した。新型コロナウイルスのデルタ株の感染拡大でマイナス成長となった2021年9月期以降、3期連続でプラス成長を維持した。

 景気への影響が大きい家計支出(個人消費)は前月比で2.2%増え、GDPを1.1ポイント押し上げた。コロナ禍からの本格的な経済再開に伴い、特に運輸サービス(37.3%)や宿泊・飲食(8.8%増)といった旅行関連支出が大幅に伸び、「リベンジ消費」が景気を押し上げている様子がうかがえる。

消費者は財布の紐を緩めている

 ABS国民経済計算部のショーン・クリック部長は声明で「国境が引き続き開放され、コロナ規制がさらに緩和される中で、旅行関連の家計の支出が拡大した。ただ、交通手段への支出が力強く伸びたものの、家計支出はまだコロナ禍前の3分の2にとどまっている」と指摘した。

 消費者が財布の紐を緩めるさじ加減を示す「家計貯蓄率」は8.7%と3四半期連続で下落。支出が収入の伸びを上回っていることが確認された。クリック部長は「家計が資金を貯め込む傾向は続いているものの、その割合は過去3四半期にわたって低下している。ただ、8.7%の貯蓄率はコロナ感染拡大後では最低であるものの、コロナ前の水準は上回っている」と述べた。

 一方、輸出も5.5%増と、シドニー五輪で旅行者が急増した2000年9月期以来22年ぶりの伸びを記録した。鉄鉱石などの金属や燃料、農産品の輸出増を背景にモノの輸出は4.2%、海外からの旅行客の受け入れ拡大によりサービスの輸出は13.7%それぞれ増加した。

■ソース
Economic activity increased 0.9% in June quarter(ABS Media Release)

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