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豪州の消費はまだ衰えていない ブラックフライデー商戦好調

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11月の小売売上高前月比1.4%増 過去最高更新

コロナ前からの小売売上高(季節調整済み、名目値)の推移 出典:オーストラリア統計局(ABS)

 約30年ぶりの高いインフレと前例のない急速な利上げにもかかわらず、オーストラリアの消費は依然として好調で、衰える兆しが見えない。

 オーストラリア統計局(ABS)によると、2022年11月の小売売上高(季節調整済み)は359億1,810万豪ドルと前月比で1.4%増え、10月に続き過去最高を更新した。前年同月比では7.7%増と10月の13.0%から減速した。

 項目別では、「衣服・靴・アクセサリー」が前月比6.4%増、「百貨店」が5.4%増と大幅に伸びた。11月25日のブラックフライデー前後の商戦が好調だったようだ。

消費者は11月の安売りを待っていた

 ABSの小売統計部門の責任者を務めるベン・ドーバー氏は声明で「ブラックフライデー前後は毎年、支出が増える傾向があるが、その効果が年々強まっている。(ブラックフライデーは)小売業界により浸透してきており、商戦の期間も長期化している」と指摘した。

 ただ、10月の前月比伸び率が0.4%と小幅にとどまっていたことから、生活コストの上昇を意識した消費者が、11月のディスカウントを待って10月に消費を控えた可能性があるという。

 一方、「食品」と「外食」はともに0.1%増とわずかな伸びにとどまった。同氏は「食品と外食は年初に急増した。商売の環境が(コロナ禍から)正常化するに従い、11月には22年で最も低い伸びにとどまった」と説明した。

利上げと生活費増が家計苦しめる

 11月の小売売上高を見る限り、景気を支える個人消費が依然として好調だ。しかし、経済専門家は、住宅ローンと家賃の負担が増えるため、今後は消費が落ち込むと予測している。

 ANZ銀のアデレード・ティンブレル上級エコノミストは公共放送ABC(電子版)に「2023年は大幅に減速する。固定型住宅ローン金利も改定されるし、金利は上昇する一方だ。電気料金などの公共料金も家計を苦しめるだろう」と述べた。

■ソース
Retail Trade, Australia, November 2022, Australian Bureau of Statistics
Australian borrowers headed for a series of interest rate hikes, as inflation rises again(ABC News)

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