ネズミ大量発生 オーストラリアのサトウキビ生産に大打撃

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生育に理想的な天候 年間460匹も子ども産む

オーストラリア・クイーンズランド州のサトウキビ生産者を困らせている「ケーンフィールド・ラット」(Photo: Queensland Government)

 オーストラリア北東部クイーンズランド(QLD)州では、ネズミが大量発生してサトウキビ農家に大打撃を与えている。17日付の公共放送ABC(電子版)が伝えている。

 サトウキビ畑が広がるQLD州北部の農村イングハム。害獣のネズミが過去に例のない水準で大量に発生していて、サトウキビ畑を荒らしているため、生産者は頭を抱えている。

 地元の生産者団体のマネジャーを務めるローレンス・ディベラ博士はABCに「重大なダメージを被っています。最初は(ネズミに)少しかじられるだけなのですが、2週間もすれば全滅してしまいます」と話した。ネズミにかじられたサトウキビは、内部から腐食が進むそうだ。

 ディベラ博士によると、大量発生したのはネズミの生育に理想的な気象条件が続いたからだという。過去2年間、雨季に降水量がなかったため、地面の巣穴の中で溺死したり、寒さで凍えたりせず、快適な環境で繁殖し続けることができた。

ヘリとドローンで空から毒餌作戦

 今年のサトウキビは豊作が予想されていたが、出荷できなくなると収益は吹っ飛んでいく。生産者のグレッグ・アーキラさんは「サトウキビは腐ってダメになってしまいます。次第に酸っぱくなり、糖分が減ってしまうのです」と述べた。

 ネズミは夜行性で、昼の間は巣穴に身を隠している。1組のつがいが2週間に一度子どもを産み、1年間に産む子どもの数は460匹にもなるという。

「ネズミは作物の下の巣穴に住んでいるのです。穴を覗くと姿が見えることもありますよ。でも穴に手を入れてはいけません。大きな蛇に噛みつかれますよ」(アーキラさん)

 大量発生しているのは、「ケーンフィールド・ラット」と「クライミング・ラット」と呼ばれる2種類のネズミ。サトウキビ生産者にとっては害獣だが、いずれもオーストラリアの在来種であるため、駆除するには州政府の許可が必要だ。長い時間と複雑な手続きを経て、イングハムの生産者はこのほど、空から毒餌を撒くことができるようになった。

「広いエリアではヘリコプターで、狭いところではドローンを使います。ネズミが出てきて、地上に落とされた毒餌を食べれば、万事休すというわけです」(アーキラさん)

■ソース
‘Millions’ of native rats invade North Queensland sugar cane fields, decimate crops(ABC Rural)

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