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第159回 おしろい祭り/書家れんのつきいち年中行事

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書家れんのつきいち年中行事

第159回 おしろい祭り

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 ご機嫌いかがですか、れんです。

福岡県の中南部、筑後地区にある朝倉市の大山祇(おおやまずみ)神社では、毎年12月2日に「おしろい祭り」が開催されます。この大山地区は、55世帯、男女計174人(令和3年8月末現在)の小さな部落で、この祭りは神事として300年以上にわたって継承されています。福岡藩士であり、「大和本草」などの著書で知られる貝原益軒が記した「筑前国続風土記(1703年刊)」の記載がその歴史の裏付けとなっているようです。

愛媛県今治市に総本社のある大山祇神社は山の神、海の神、戦いの神である大山積神(おおやまづみのかみ)を祀(まつ)っていて、村上水軍の武将たちの信仰が厚かったようです。朝倉の神社は全国に1万社ある分社の1つです。朝倉はどこの海にも面していない山村ですが、大山積神を山の神として祀っています。山の神は女の神様なのでおしろいを塗る、それがこの祭りの由来だそうです。

翌年の五穀豊穣を祈って氏子の顔におしろいを塗り、その付き具合がよければ豊作になるそうです。おしろいはその年に収穫した新米の粉を水で溶いたもので「しとぎ」と言い、祭り当日のおしろい塗りの直前に作られます。

祭りは宮司のお祓(はら)いで始まり、祝詞が奏上されると酒が回り始めます。氏子がちょっと酔ったところで、神主からおしろいを塗り始めます。氏子全員にたっぷり塗り終わると、観客にもちょっとだけ。これは家に帰るまで洗い落としてはいけないそうです。

このコラムの著者

れん(書家/アーティスト)

れん(書家/アーティスト)

アーティストとして永住権取得。作品“ふるさと”が国有財産として在豪日本国大使館蔵。豪・日・ドバイ・NZで作品展、大書ライブ、workshop多数。ハリウッド映画『The Wolverine』製作に参加。シドニー総領事表彰。元号“令和” (総領事館蔵)、日立豪 “協創”揮毫。豪五輪委員会で応援大書。書道教室。LINE stamp販売中。
Web: renclub.net / Email: renclub@gmail.com / 動画: youtube.com/user/renclub

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