サービス業で若い女性へのセクハラ蔓延

「客は神様」や「たわむれ」の文化風土

 シドニー大学の学者らの研究で、小売り商業、ホスピタリティなどの業種に働く若い女性に対して客の卑猥な発言、物理的暴力、露骨な言い寄りなどの行為が日常的に行われており、しかも管理職が被害者の訴えを誠実に取り上げようとしないという実態が明らかにされている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 「But It’s Your Job To Be Friendly: Employees Coping With and Contesting Sexual Harassment from Customers in the Service Sector(フレンドリーにするのが仕事。サービス業界の客のセクハラを受ける従業員)」研究は、ウエイター、店員、バーテン、レジなどで働く18歳から25歳までの男女に深く立ち入って聞き取り調査した。

 シドニー大学のレイ・クーパー教授らが行ったこの研究で、「従業員はフレンドリーにするのが仕事」という社会通念から、被害の訴えが少ないことが突き止められており、クーパー教授は、「この業種でのセクハラは非常に多い。これらの業界では従業員はセクハラの実態を大きな声でいいにくい雰囲気がある。また、訴えても真剣に取り上げてもらえないとあきらめている人々もいる。また、客に言い寄られることも仕事の内という気風があるとしている。

 また、被害者になるのは若い女性ばかりでなく、少数ながら男性も客から言い寄られて困ることがあると語っている。しかも、客を追い払いたくないために強い態度に出られないと語っている。

 サービス業で働く女性の中には、「女性管理職は理解してくれることが多いが、男性管理職はまったく理解しようとせず、金儲け第一で私達に客と仲良くしろと求めてくる」と語る者もいる。

 最近、ハードウエア・チェーンのバニングズは、従業員にセクハラや性差別的な態度を取る職人客の立入を禁止する方針を発表したが、NSW州差別禁止委員会のエリザベス・ウィング委員長代行は、「バニングズのような例はまだ少数だ。また、セクハラ禁止のポリシーはあっても実行されていないことがある」と語っている。
■ソース
Sexual harassment rife in service industry because ‘customer is always right’

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