入院患者遂に1000人を突破、1日の検査回数減る
1月2日付ABC放送(電子版)は、NSW州政府の発表として、1月1日午後8時までの24時間に90,019人のコロナウイルス検査を行い、18,278人を陽性と判定したことを伝えている。
前日の検査回数は119,278人で、規制緩和や「必要のない限り検査を受けないで」という政府の呼びかけに応えているものとも思えるし、長蛇の行列の報道を見て、市民が敬遠するようになったとも考えられる。
また、コロナウイルス感染症入院が2021年10月2日以来久しぶりに1000人を突破して1,066人になったことも報じており、前日には901人だったことから一気に170人ほど増えたことになる。また、80代と90代の男性各1人が亡くなったことを報じている。2人はいずれも完全接種者だった。
また、ICU収容者も79人から83人に増えている。
このような混乱状況について、「オミクロン株アウトブレークに対する何の戦略も用意していなかった」と、ドミニク・ペロテイ州首相が批判を受けている。
2021年12月中旬との比較では、ICU収容率の伸びは現在の方が低いが、入院率では現在の方が5倍ほどの速さで伸びている。
このような状況が続いているにもかかわらず、先週、ドミニク・ペロテイ州首相は、「NSW州の医療制度は十分に強力だ」と発言し、「NSW州もコロナウイルスに対処できる非常に強力な態勢にある」と発言していた。
一方、医療労働組合(HSU)のジェラード・ヘイズ書記長は、「病院で治療を受ける感染者が増えており、日毎に憂慮が強まっている。オミクロン株はデルタ株ほど重症にはならないが、感染力が強く、多くの患者を出しており、そのために入院患者も大きく増えていることが憂慮される。NSW州の医療体制は今後2か月か3か月すれば臨界的な段階に達する」と語っている。
ブラッド・ハザード州保健相は、コロナウイルスに感染した医療職員や濃厚接触と判断された医療職員の隔離期間を短縮し、一律に職場復帰を命じる公衆衛生命令に署名した。
これに対して、医療職員関係労組のAustralian Salaried Medical Officers Federation (ASMOF)のトニー・セーラNSW州議長は、「どの病院も職員不足になっており、医療制度への重圧は極限に来ている。医療体制を崩壊させないためには医療職員が崩壊するしかない」と悲壮な発言をしている。
■ソース
NSW records 18,278 new COVID-19 cases and two deaths as number of people in hospital tops 1,000