3月の燃料小売価格、3割超上昇

オーストラリア統計局(ABS)は29日午前11時30分(豪東部時間)、3月の消費者物価指数(CPI)のデータを公表する。イラン攻撃(現地時間2月28日開始)による燃料高騰の影響が初めて反映される。景気や金融政策の先行きを占う上で、きわめて重要な発表となる。
ABSによると、2月のCPI上昇率(3月25日発表)は、前年同月比3.7%(季節調整済み)と1月の3.8%から小幅に鈍化していた。前月比では変化がなかった(1月は0.4%)。ところが、3月の物価統計は、燃料高騰の影響をもろに受ける。
ウエストパック銀によると、3月のCPI上昇率に関する市場予測のコンセンサスは、前年同月比4.8%。同銀の予測も4.7%と大幅な上昇を想定している。
コモンウェルス銀も、CPI上昇率が前年同月比4.6%、前月比1.1%に加速すると予想している。中央銀行の豪準備銀(RBA)が金融政策を決める上でより重視するCPIの「トリム平均値」(極端な物価変動を除いた値)の上昇率は、前年同月比3.5%になる見通しだという。2月は3.3%だった。
同銀は28日に発表した顧客向けの短信で「(3月の)1カ月間で燃料の小売価格は30%以上、上昇した。燃料価格の上昇は前月比の上昇幅のうち0.9ポイントを占めることになるだろう」と指摘した。
5月の3会合連続利上げは想定内
3月の物価統計でインフレの上昇が予測通り確認されれば、RBAは5月4〜5日の次回会合で追加利上げに踏み切る公算が高いと見られている。ウエストパック銀、コモンウェルス銀、ナショナル・オーストラリア銀の3行は、RBAが5月に政策金利を0.25ポイント引き上げ、4.35%にするとの予測で一致している。
また、オーストラリア証券取引所(ASX)によると、金利先物の動向から市場が織り込む利上げ確率は、24日の時点で74%まで上昇している。
オーストラリアの物価上昇圧力は、イラン攻撃の前からじわじわと拡大していた。RBAは粘着力の強いインフレを抑え込むため、今年2月に2年3カ月ぶりとなる利上げに踏み切り、3月にも追加利上げを行った。5月会合で実施すれば利上げは3会合連続となる。
年初と比べ月3万8,000円の負担増
コモンウェルス銀は「現時点の力強いインフレ圧力によって5月の利上げは正当化されるだろうが、その決定は、経済活動の軟化見通しとインフレ上昇を秤にかけ、RBA理事会がどう判断するかにかかっている」と分析した。3月の物価統計が重要な手がかりになる。
住宅ローン仲介大手「オージー・ホーム・ローンズ」によると、標準的な変動金利型住宅ローン(借入金70万豪ドル=約8,000万円、返済期間30年間)のケースでは、5月に3回目の利上げが行われた場合、返済金額は2月の利上げ開始からの累計で1カ月当たり336豪ドル(約3万8,000円)、年間4,028豪ドル(約46万円)増えるという。
生活者の財布にとっては、ガソリン価格の高騰に加え、利上げはダブルパンチとなる。国内総生産(GDP)の過半を占める個人消費を冷え込ませ、インフレ上昇と景気後退が同時に進む「スタグフレーション」を引き起こしかねない。金融政策は非常に難しい岐路に立たされている。
◼️ソース
AUSTRALIA & NEW ZEALAND WEEKLY, Week beginning 27 April 2026(Westpac Economics)
US shareshold near record highs ahead of tech earnings(Commonwealth Bank of Australia)
What experts predict for the RBA’s May 2026 interest rate decision(Aussie Home Loans)