グルテン不耐症の原因は免疫系の混乱か

細菌とタンパク質のグルテンを取り違え

 メルボルンのモナシュ大学の研究者がロイヤル・メルボルン病院で続けている研究で、シリアック病のグルテン不耐症の原因は人体の免疫系が、グルテンを真似る細菌に接触した免疫系がその後に小麦粉に含まれているグルテンのタンパク質に触れ、免疫反応を起こすためらしいということが明らかになってきている。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。

 オーストラリアにはシリアック病患者が40万人程度おり、ロイヤル・メルボルン病院は国際的なシリアック病新ワクチンの治験に参加に参加し、プロバイオティクスやワクチンの開発で予防が可能になることも期待されている。

 シリアック病を引き起こすと疑われている細菌は腸内に自然に存在する細菌であり、シリアック病患者が、その食事からグルテンを完全に取り除いても症状を示す原因が説明できる。

 複数研究機関の共同研究を主導しているモナシュ大学の研究者、ヒュー・リード氏は、「シリアック病発症にマイクロバイオームが関わっている可能性を突き止めたのはこの研究が初めてだ」と語っている。

 この研究からさらに展開が予想される。細菌がグルテンを真似るのだとすると、そういう細菌は人間のアレルゲンになるような様々なタンパク質を持っていることが考えられる。それなら、一般的な自己免疫疾患を引き起こすのもバクテリアやウイルスの仕業だと考えられないだろうかということだ。

 シリアック病患者がグルテンを食べると、免疫系は誤ってグルテンを外敵と見なしてしまい、腸内で大々的な免疫反応を起こし、グルテンを死滅させようとする。そのために腹部膨満、下痢などから果ては腸壁損傷を引き起こしてしまうことが考えられる。

 約50%の人はシリアック病にかかりやすい遺伝子を持っているが、生まれつきグルテン・アレルギーというわけではなく、その遺伝子を持つ人口の70分の1だけが発病する。そういう人達は子供の頃に何らかの引き金物質と出会っていると考えられ、免疫系が成熟する前に発症してしまう。

 ウォルター・イライザ・ホール・インスティチュートの研究チームは、シリアック病患者の血液を採取し、免疫細胞をグルテンを真似た細菌のタンパク質に触れさせた。そうするとまるでグルテン分子を見つけた時のように猛烈に攻撃を始めた。リード博士は、「人違いが起きたのだ」と語っている。
■ソース
Coeliac disease linked to bacteria exposure

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