中国の所有企業が「採算難しく当分見合わせ」と
5月23日、インド系炭鉱企業アダニ社がQLD州中部のギャリリー炭田に計画しているカーマイケル炭鉱開発はアダニ社とアナスタシア・パラシェイ労働党州政権などの間で話し合いが行われ、アダニ社側が「前進があった」と発表するなどしている。一方、カーマイケル炭鉱鉱区に隣接する中国系の大規模炭鉱開発がほとんどメディアにも情報が流されないまま開発計画が中止になり、開発段階での雇用も見込みがなくなったと伝えられている。
ABC放送(電子版)が伝えた。
このチャイナ・ストーン・コール炭鉱は、アダニ社の炭鉱計画地の隣に67億ドルの予算をつぎ込んで炭鉱開発を行うことが計画されていた。
しかし、同社は説明のないまま計画進行停止を決め、鉱区ライセンスも返上するとしているが、QLD州政府側は、「同社は将来的に問題の鉱区の再開発を確約した」と語っている。
チャイナ・ストーン・コールの露天掘りと坑道掘りを併用する一般炭炭鉱はマッカイから300km西に開発が計画されており、3,000人以上を雇用する予定だった。
同社は計画中止の理由を説明していないが、アナリストは、「同炭鉱プロジェクトが中国国内の石炭需要と一致しなくなっていることや、炭鉱開発資金を得ることが難しくなっており、採算に合わなくなっていること」などを挙げている。
しかし、同プロジェクトは2018年末にQLD州政府の条件付き認可を受けており、5鉱区の採掘権を受ける予定だった。さらに、アダニ社のカーマイケル炭鉱プロジェクトとはわずか30kmの距離だった。
チャイナ・ストーン・コールの炭鉱開発計画はアダニ社のそれに比べるとほとんど一般社会に知られることもなく過ぎてきたが、採炭を始めるとピーク時には年産3,800万トンを生産し、中国に輸出するはずだった。これに比べると計画がかなり縮小されたアダニ社の炭鉱はピーク時でも年産1,000万トンどまりになる予定だった。
また、チャイナ・ストーン・コール炭鉱は、Meijin Energy Groupの100%子会社、マックマインズ・オースタジア社が所有しており、Meijin Energy Groupは中国で最大の冶金コークス・メーカーとされている。
■ソース
Mega mine next to Adani quietly put on hold, thousands of promised jobs in doubt