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豪政府、NATO経由でウクライナに武器供与を発表

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モリソン首相「ウクライナ難民受け入れ枠設ける」

 2月27日付ABC放送(電子版)は、スコット・モリソン連邦首相が、武器弾薬をNATO経由でウクライナに提供する。また、ウクライナ難民受け入れ枠を設ける考えも明らかにした。

 ロシアのプーチン大統領の命令でウクライナ周辺で演習していたロシア軍がウクライナを侵略し、チェルノブイリ原発廃炉がロシア軍に占領された他、ロシア軍のミサイル攻撃で石油施設や一般市民のアパートが破壊されるなどが続いている。また、各地でウクライナ軍と市民がロシア軍と戦っている。

 しかし、ウクライナ以外の国がロシアと戦火を交えることは戦争を拡大することになりかねず、プーチン大統領が第三国の戦争参加に対して核兵器使用もほのめかしていることから、第三国の武力行使は不可能な事態になっている。

 連邦政府はこれまで殺傷兵器の供給や部隊の派遣は行わず、医薬品などの提供にとどめるとしていたが、ウクライナ国内の事態が悪化しており、プーチン大統領が攻撃を緩める気配もないため、NATO加盟国のアメリカ、イギリス、その他の欧州諸国がウクライナ周辺国の兵力を増強したり、ウクライナに武器弾薬を含めた物資を送り込み始めている。また、27日にはジョー・バイデン米大統領が、3億5,000万ドル相当の米国産兵器をウクライナに供与することを認めた。また、ドイツも方針を変え、対戦車兵器やミサイルをウクライナに供給すると発表している。

 モリソン首相は具体的な武器弾薬供給援助の内容には触れなかったが、「国防相と話し合ったばかりだ。オーストラリアは、NATO加盟国、特にアメリカやイギリスを通してウクライナに送り届けたい。それがもっとも効果的な手段だと思う」と語った。

 ABC放送は、モリソン首相の発言の意味は、「オーストラリアが所有する武器をウクライナに輸送するのではなく、NATOがウクライナに輸送する武器に対してオーストラリアが経済的負担をする」という意味だと伝えている。

 その他にも、ロシアがウクライナ国内の通信を妨害するサイバー攻撃に対しても、オーストラリアがウクライナに対してサイバーセキュリティで援助することもウクライナに伝えていた。

 モリソン首相は、この問題でアメリカやイギリスと歩調を合わせると話すと同時に、中国が、ロシアに対する厳しい制裁措置をためらっていることに対しても、「世界がロシアに厳しい措置を取っている時に逆にロシアに対する貿易制裁を緩和しようとしている国がある」と複数形ながら暗に中国を指して語っている。

 2月に習近平中国主席がプーチン露大統領と会い、ロシア産大麦小麦にかけられている貿易制裁を一国的に緩和する協定を発表している。
■ソース
Australia to help send weapons via NATO to support Ukraine in war against Russia

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