WA州のドイツ人バックパッカー墜死現場に内部告発

事故前に建築現場の安全性に不安を感じた退職者

 10月10日、WA州イースト・パースのジェリー・ハンセン氏所有のコンチェルト・アパートメント・コンプレックス建築現場で作業をしていたバックパッカーのドイツ女性、マリアンカ・ホイマンさんが垂直の換気ダクトの13階から墜落して死亡した事故では、Fair Workオンブズマンが11月3日に事故の起きた建築現場を家宅捜索した。また、同建築現場に勤めていたことのあるサイモン・ウォーターズ氏が名乗りで、同建築現場の職場安全に危機感を感じて退職していたことを明らかにした。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 10月には国内の建築現場で4人が死亡しており、国内全体の職場安全思想と作業員の訓練度に疑問の声が挙がっている。

 ウォーターズ氏は、数ヶ月前にパースの建設現場で見習いの世話をする現場監督として働いており、コンチェルトも巡回先の一つだったが、「あの現場は乱雑な上に、仕事の仕方がめちゃくちゃで、立入禁止規制もなくどこでも歩き回っていた。そのうちに誰か大けがをするか死ぬかするぞと怖くなって6週間でやめた」と話している。その3週間後にホイマンさんの死亡事故が起きた。

 Fair Workオンブズマンは、ハンセン氏の所有するコンチェルト・コンプレックスとサウス・パースのハーパー・テラスを立入検査した。

 ウォーターズ氏は建設業界で40年間働き、20年近くは職場安全教育の方面に務めてきた。また、建設林業鉱業エネルギー労働組合(CMFEU)の安全問題代表者を務めていこともあり、「パースの建築業者は賃金を安く上げるため、見習いの割合を増やし、しかも適切な監督を怠っている。若い子らが適切な監督もないまま単独で働いていることも多い」と証言している。

 一方、ハンセン氏はABC放送を建築現場に招き、「安全第一に努めている。作業員一人一人が安全手順に従っていれば安全を保てるはずだ。ホイマンさんは安全ハーネスを取り付けなかったために墜落した。安全用具はすべて支給している。作業時に安全用具をつけないことは言い訳できない」と語っている。

 ハンセン氏とCFMEUとは何十年にもわたる仇敵関係にあり、法廷、労使仲裁委員会、ピケなどあらゆる場で両者の闘いが繰り広げられてきた。また、職場安全監督局は、「コンチェルト建設現場に監視は2年前から一般市民からの苦情が3件、CFMEUからの苦情が2件寄せられている。8月には2件の改善命令を発行し、2016年だけでも4回の抜き打ち検査を行い、その度にいくつかの問題点を建築業者に指示した」と認めている。
■ソース
Construction industry death: Whistleblower speaks out over safety fears at fatal fall site

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