将来はエネルギー供給過剰も

10年は新規発電所は不要の報告

 オーストラリア国内の各電力企業は互いに刻々と変動する価格で電力を売買している。電力企業の企業団体全豪エネルギー・マーケット・オペレータ(AEMO)の報告書によると、オーストラリアは今後電力市場でかつてなかったほどの電力供給過剰になる。そのため、既存の石炭火力発電所の採算性さえ問題になるが、同時に連邦政府に対しては再生可能エネルギー目標(RET)を引き下げるようにとの圧力も高まる可能性がある。

 AEMOスポークスマンのジョー・アダモ氏は、「3種類のシナリオでモデル化して調べたが、現在でもすでに電力は供給過剰状態になっている。来年だけでも供給が需要を8,900MW上回る。これは国内最大の火力発電所の年間発電量を4倍する量だ」と述べている。

 国内電力市場は、世帯のソーラー・パネル設置、省エネ電化製品普及、電力消費量の大きかった製造部門の縮小消滅などで4年間連続で消費量が減っている。エネルギー・コンサルタントは、「石炭火力発電所が生き残ろうとすると買い手市場で競争しなければならなくなる。一部の発電所はすでに不採算水準で経営を続けており、今後さらに増えていくと思われる」と語っている。すでにHRLが、VIC州ラトローブ・バレーの小規模石炭火力発電所を閉鎖すると発表している。

 ただし、電力供給過剰ではあっても電力料金が下がることはありえない。発電所の出口から各消費者のメーターまでの送配電コストが上昇していることがあり、最終消費者の電力料金の半分以上がそのコストで占められており過去3,4年の間に急上昇している。保守連合連邦政権は、2020年までに全発電量に占める再生可能エネルギー発電量比率目標(RET)の見直しをしており、大手電力企業がこれまでにRETの廃止や引き下げを求めてロビー活動してきた。

 今後、RETが廃止されることになれば、大規模な再生可能エネルギー発電産業の成長は望めない。そればかりか、石炭よりもガスの価格の上昇が大きいため、ガス火力発電所を閉め、閉めていた石炭火力発電所を再開するところも出てきている。一方では現在150万世帯がソーラー・パネルを屋根に備え付けており、このパネルをグリッドに接続し、電力料金を大幅に節約する家庭が増え続けている。(NP)

http://www.abc.net.au/news/2014-08-08/australia-faces-unprecedented-oversupply-of-energy-report-says/5658926

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