VIC州控訴審判決批判の3連邦大臣が発言撤回

法曹界からの「法廷侮辱罪」の批判にも謝罪せず

 VIC州控訴審がテロ事件関連の審理で下した判決に対して、連邦保守連合政権のグレッグ・ハント保健相、マイケル・スカー副財相、アラン・タッジ福祉事業相の3人が、保守系全国紙のオーストラリアン紙で、「テロ犯罪に対して緩い判決で、判事は極左活動家判事」とする主旨の批判を行った。これに対して当裁判所判事や法曹界から、「その批判は三権分立を侵すものであり、法廷侮辱罪相当」との批判が出た。3閣僚は発言の一部を撤回したが、謝罪はしなかった。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 VC州控訴審のマリリン・ウォレン首席判事は、「大臣発言は三権分立をないがしろにする発言」と批判した。6月16日には連邦政府法務局長のスティーブン・ドノヒューQCが審理で、「3閣僚は発言の言葉遣いを後悔しているが、批判そのものはテロ事件判決に対する社会的議論として重要と考えている。3人は、発言が司法に対する社会の信頼を損ねるものとは考えていない」と陳述した。

 ワインバーグ判事が、「3人が謝罪したとは聞いていないが」と質問したのに対して、ドノヒュー局長は、「3人は言葉遣いを後悔していると言った」と返答した。これに対して、ワインバーグ判事は、「謝罪と後悔は同じではないと思うが」と反論している。

 最終的にドノヒュー局長は、「3人は、極左活動家判事がイデオロギー的実験を行った判決で法廷は現実とかけ離れていると書いた箇所を取り消す」と証言している。

 ワインバーグ判事は、「3大臣は、法廷に提出される事件の複雑さを認識しているのだろうか?」と質問。スティーブン・ケイ判事は、「それでは3人はまったく何も分からずに発言しているのか?」と質問。ドノヒュー局長は、「3人は報道で知ったことに反応して発言した」と答えた。この回答に対して、ケイ判事は、「それではまったく何も分からずに発言したということではないか」と返している。

 政治家と対照的に、オーストラリアン紙の弁護士は、「新聞は全面的に謝罪する。メディアは単に意見を伝えるだけの存在だ」と陳述した。

 審理は延期され、3政治家に対して法廷侮辱罪を適用するかどうかの発表は先に延ばすことになった。

 ウォレン判事は、「VIC州の判事は、法廷に提出された訴訟を公正中立を旨として、法の原則に基づいて審理を行っている」と語った。

 一方、連邦野党労働党のマーク・ドレイファス影の法務相は、「マルコム・タンブル連邦首相は3閣僚の発言を擁護したが、発言は国内の判事や法曹界から強い批判を浴びており、3人は発言の一部を取り消した。この事件はタンブル首相にとってはまったく恥ずかしい結果になった」と語っている。
■ソース
Ministers retract some comments critical of Victorian judiciary over terror sentencing

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