「置いてきぼり不安」で精神衛生悪化

ソーシャル・メディア耽溺の弊害報告

 ソーシャル・メディアがユーザーの福利に及ぼす影響を調査した第5回National Stress and Wellbeing in Australia Surveyの報告書で、ソーシャル・メディアに深く心理的に依存している人が、「置いてきぼり不安(FOMO)」を抱き、片時も携帯電話などの端末をてばなすことができない心理状態になり、抑鬱症や不安症への傾向を示すことがあると報告されている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 この調査結果によると、国民の福利は第1回調査時に比べて悪化しており、ストレス、抑鬱、不安などの程度も高まっている。

 約半数のティーンネージャが、「友人がソーシャル・メディアで書いているような素敵な毎日を見逃している」と感じており、また、友人達の体験に比べてつまらない体験しかしていないと感じている。また、友人達が自分抜きで楽しんでいるのではないかと心配しており、友人のしていることを知らないでいるのではないかと不安にかられている。

 フリンダース大学のソーシャル・ワーク主任講師のムバラク・ラハマツラ博士は、「FOMOが不安症や抑鬱症などにつながる可能性がある。私の研究でも、また世界中で行われた研究でもFOMOが実際に起きていることが示されている。また、デジタル・テクノロジーを使っている時間とストレス、抑鬱の間には非常に強い正の相関性が見られる。ティーンネージャーを指導するのは親や政策決定者の役目だ。また、ソーシャル・メディアの社会的プレッシャーなどにどう対処するかを教えるのも親や政策決定者の役目だ。若者は、現実とサイバー・スペースの見分けがつかず戸惑っている。彼らを指導することは社会全体の倫理的責任だ」と語っている。

 消費者心理学者のアダム・フェリアー博士は、「私達は、時たまのパーティを見逃したり、友人が自分抜きで何か楽しんでいるのではないかとおそれがちだ。しかし、ソーシャル・メディアではその不安が極度に強くなる。置いてきぼりにされているのではないかと疑心暗鬼になるのだ」と語っている。また、ソーシャル・メディアで友人達が楽しんでいたことを知ると嫉妬などの感情をいだく。しかも、成人してもその気持ちは変わらず、置いてきぼり不安は18歳から35歳までの年齢層でもっとも強い。

 フェアリー博士は、「ソーシャル・メディアのプラス面とマイナス面をよく知らなければならない。自分自身の生活で満足することも幸せと感じることも難しくなっている」と語っている。
■ソース
#FOMO leading to higher levels of depression, anxiety for heavy social media users

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