ロンドンのオーストラリア・ハウスに地下水

数少ない900年前の「聖水の井戸」

 オーストラリア政府の駐ロンドン公館として100年近く前に建てられた「オーストラリア・ハウス」。その地下に900年前のロンドンで飲用に適したわき水を湛えた「聖水」の井戸が存在することをABC放送が伝えた。

 この聖水の井戸は20か所ほどあったとされているが、そのほとんどは長年の間に道路、建物の下になってしまっており、今でも水を汲むことができるのはごくわずかしか残されていない。ロンドンのストランドにあるオーストラリア・ハウスは第一次世界大戦中に建てられたが、その際に、井戸も長方形の枠をはめ、建物の最下階の床を切り抜いて、井戸の部分だけに透明の覆いを載せている。

 オーストラリア・ハウスは、大理石や材木もオーストラリアは運んできたもので、その豪壮な内部は、ハリー・ポッター映画でゴブリンが運営する魔法使いの銀行、グリンゴッツとして登場する。ABC放送取材者は、アレグザンダー・ダウナー高等弁務官の案内で普段は公開しない井戸を見学、撮影した他、「聖水」のサンプルを水質分析させている。その結果、かなり優秀な飲用に適した水質と判定された。

 研究者のデビッド・ファーロン氏は、「聖なる井戸」や「聖なる治癒力を持った泉」という考えはケルト民族やそれ以前に遡ることができると語っており、ダウナー高等弁務官は、「中世の僧侶がこのわき水のことを、甘く、ふくよかで、澄んだ水と書いている。また、「この水はフリート・ストリートから流れてきているが、その通りの地下には川が流れていた。今でも暗渠があり、水はそこを流れている。ローマン、アングロ・サクソンの時代にはフリートは市内を流れる主要な川だったが、ロンドンの町が大きくなるにつれて汚染され、汚れた溝になってしまった。しかし、このような井戸は中世には重要な儀式に用いられていた。この地域に劇場が建てられたのもそういうことがあったからだ」と語っている。

 オーストラリア政府のダンカン・ホウィット氏は7年前に聖水をすくって飲んだことがあると認めており、「フレッシュで澄み切っていた。水道水よりおいしかった」と語っている。
■ソース
Australia House’s 900-year-old ‘holy well’ in basement holds water fit to drink

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