食中毒事件、タイ産ツナ缶容疑晴れる

「事故のあった店で開缶後に汚染」

 シドニー市内の喫茶店で作ったツナ缶の料理から7人が食中毒を起こした事件は、タイ産のジョン・ブル・ブランドのツナ缶が原因ではないかとされていたが、NSW州政府食品安全局が回収したツナ缶を分析した結果、いずれも「食中毒の原因とは認められず」と判定、喫茶店で開缶後に他の食品によって汚染されたのではないかと結論した。

 3月12日付シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 同局が、食中毒が報告されたタウンホールの喫茶店「ソウル・オリジン」で使っていたジョン・ブル・ツナ缶のバッチと同店が作ったツナ・サラダなどを検査した結果、ツナ缶は安全だったが、サラダからはサバ毒のヒスタミンが安全基準の20倍近い濃度になっていた。同局は、スコンブロイドまたはサバ毒と呼ばれるヒスタミン系の魚を媒介する食中毒は、自然中で特定の魚種にごく一般に見られる細菌が酵素を分泌し、その酵素が魚体中のヒスチジンをヒスタミンに変え、食中毒を引き起こすと説明している。

 同局の報告書は、「食品中のヒスタミンの安全条件は1kgあたり200mgだが、同店のツナ・サラダからは1kgあたり3950mgのヒスタミンが検出された。また、ジョン・ブル・ツナ缶輸入元のFTAフード・ソルーションズに検査結果を送った」と発表している。検査結果を受けた輸入元では、「ツナ缶が開けられた後に、他の食品に触れ、ヒスタミンをつくり出すような微生物で汚染された可能性がある」と発表している。

 ソウル・オリジンは、一般市販とは異なる業者用のジョン・ブル・ツナ缶を使っており、7人が中毒した。サバ毒食中毒症状としては、コショウのような味覚、口内・舌のしびれ、発疹、頭痛、めまい、かゆみなどの他、吐き気、吐瀉、下痢などを伴うこともある。また発症はサバ毒に汚染された魚を食べてから半時間ないし2時間程度で始まり、4時間ないし6時間続くが24時間以上続くことはまれである。治療にはアンチヒスタミン剤が有効。

 ジョン・ブル・ブランドをつくっているタイの缶詰会社の製品についてはすべて輸入元が国内の独立検査会社に検査を依頼し、「検査の結果、缶詰はすべて食品規準を満たしており、食用に適している。またタイの缶詰会社、I.S.A Value Coも独自に検査を依頼し、いずれも合格している。しかし、今回、中毒した方々には深く同情申し上げ、一刻も早い回復を祈っている」と声明を発表している。

 また、「事故発生当時、メディアなどがヒスタミン汚染はジョン・ブル・ツナ缶やI.S.A Value Coの落ち度のように書き立てていたことに憤慨を禁じ得ない。同社は優れた食品基準適合の経歴がある」と発表している。
■ソース
John Bull Tuna cleared of scombroid poisoning

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